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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦四日目(3)×小銃形態の汎用型デバイスと雫の魔法
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書いてあるのに今一分からなかったので何回か読んでからやっと理解したようなもんだ。

この場合の二酸化炭素分子を赤のクレーに置き換えたのが、雫の使っている魔法である。有効範囲エリアの中央部に「紅のクレーが集まっている空間」に書き換えている収束系魔法。より具体的には、得点有効エリアをすっぽり覆ってなお余る二十メートル四方の空間を「中心部に近づくほど紅色のクレーの密度が高い空間」に改変する魔法。空間体積は巨大で、同時に飛んでくるクレーの総数が少ないので術者の負担はそれ程でもないし、改変対象は空間そのものではなく空間内に存在するクレーの分布だから。紅のクレーは魔法式による情報改変によってエリアの中央部へ引き寄せられるが、白のクレーは中央部を横切る軌道から外れる。二高選手が直接干渉しているクレーはこの副次的な干渉の影響を受けないが、二高選手がぶつけようとしている「的」の側のクレーは二高選手の魔法によるコントロールを受けている訳ではないので、雫の魔法の影響により軌道が変わって、その結果、白が的を外すという現象が起きている。スピード・シューティング決勝トーナメントのルールは、相手選手を直接攻撃しない限り、妨害は認められている。ただクレーが射出される間隔は不規則しかも短く、相手の邪魔をしながら自分の的を狙い撃つのはかなり難しいが、名無しはそれが可能なので決勝からそれを使う予定だ。妨害と狙撃で自滅するパターンが多いが、雫が使っている収束系魔法は相手の妨害と標的の破壊が表裏一体となった術式であり、中を巧みな作戦だと言える。この作戦は過去にも例があるし、一定効果を上げている。強い事象干渉力が必要となるため、選手を選ぶ作戦であり、真由美もこの戦術もしっかりと研究している。

「要するに、雫が使っている収束系魔法は紅のクレーの密度を上げて、有効範囲エリアに紅のクレーが集まろうとしている。白のクレーの密度を下げる事で、外に弾いてしまう。中央に来た紅のクレーを一気に振動系魔法で破砕するって事だな。それにあのデバイスは俺の手作り作品の一つでもある」

と一真は一人呟いていたが、真由美はまだ疑問があった。あと一真は収束系魔法は使った事が無いため、百科事典で何とか理解はしている。

「でも、最後の振動系が発動したり発動しなかったりしているのは何故?」

複数の標的が集まった場合は、そのまま中心部で衝突させて壊している。飛翔中の紅色クレーが一つだけの場合に限って、振動系の破砕魔法が行使されている。一つの魔法として構成されているならば、振動系魔法で標的を破壊する最終工程が発動したりしなかったりするのはおかしいと考えた。

「標的が複数の場合、振動系が発動する前に衝突するよう、スケジュール設定されているのかしら?」

口に出した推論を自分でも信じてないのは、口調自体が物語
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