第一章
str3『第一層の地でA』
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ているのはレイドまでで、そもそもレギオンを組んだ場合の三百人を超えるプレイヤー達を一か所に集められるかと言えば怪しい(β時代のボスの部屋にはせいぜい二レイド程度しか入れなかった)し、それだけの数のプレイヤーが集まるのかも疑問だ。SAOが普通のMMOで、これからも新規プレイヤーが増えていくというならば話は別だが、現在のSAOは脱出不能のデスゲーム。生産は一万本で止まっているだろうから新規プレイヤーは入ってこない。そもそもこの状況のSAOにログインしようと思うプレイヤーがいるかどうかが疑わしい。
それに、SAOの一階層の広さや、同時に出現してくる大型モンスターの数的に、レギオンを組むことはありえないだろう。
「なーんだ、先客がいたのね……」
がっかりした様に声の調子を落とすシャル。やはり一番乗りが楽しみにだったのだろうか。
通路を進んでいくと、その六人の姿が見えてくる。全員が銀色の鎧に身を包んだ、どことなく中世西洋の騎士風の装備だ。リーダーの武器は片手剣とカイトシールドだろうか。β時代、カイトシールドはそこそこレアだったので、彼の実力は高いと思われる。
それだけではない。クロスの眼を引いたのは、その髪の毛の色だ。彼の髪は、真っ青にペイントされていたのだ。
SAOにおいて、キャラ製作を終えた後に行えるカスタマイズは、髪色と髪型、それと目の色に限られる。現在の状況では唯一と言っていい、プレイヤーのリアルとは異なる外見だろう。大抵の色の髪染めアイテムは店売りをしている(恐らくシャルもそれで金色の髪染めアイテムを買ったのだろう)が、青色の髪染めアイテムは現時点では店売りしていない(もう少し上の層なら売っているのだが)。つまりダンジョンの奥で見つけた宝箱か、何らかのモンスターからドロップしたと思われる。やり込み的精神も高いのだろうか。それになかなかの美形だ。まぁ関係ないのだが。
「……どうする?」
シャルが小声で話しかけてくる。
「どうするって……何をだ?」
「決まってるじゃない。あの人たちに近づくのかってことよ。たぶんボスの部屋を覗こうとしてるんでしょ?」
「む……俺に聞かれても……君がどうしたいか決めてくれ」
するとシャルは微笑んで、
「じゃ、行きましょう。私もボス、見たいし」
物陰から飛び出した。クロスもあわててそれに続く。
「……誰だ!」
「脅かせてすまない。俺達もボスの部屋を見に来たんだ」
青髪の男の横にいた、茶髪の曲刀使いの叫びを、クロスは両手を上げていなした。
「君達もかい? 実は俺達もなんだ」
「そうか。俺はクロス。あなたは?」
敬語は使わないが、どう見ても年上である青髪の青年に、一応は「お前」「君」と言うのは気が引けて、クロスは「あ
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