第一章
str3『第一層の地でA』
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ぎるでしょ! っていうかそれに気づいてない所も……あはははっ!」
どうやら、収まりそうに無いようだった。
***
「……ごめんなさい」
「いや、別に構わないのだが……そんなに可笑しかったのか……」
「そりゃぁもう、思い出しただけで……笑いが……ぷくくっ……」
第一層迷宮区の薄暗い通路を、クロスとシャルは歩いて行く。いまだに衝撃が冷めないのか、シャルは笑い続けている。クロスとしてはそこまで面白いことをしたつもりはないのだが、どうやら彼女のツボにはクリティカルヒットしてしまったらしい。
腹を抱えながら、シャルはクロスに微笑む。
「やっぱりあなた、面白いわ」
その笑顔を見た時――――クロスの中で、何かが動いた……気がした。
――――?
だが、すぐにそれはどこかへと消えてしまい、正体をつかむことはさっぱりできなかった。少なくとも、今まで感じたことのない感情だったような気がしたが……。
悶々としたはっきりとしない思考の渦の中へと墜ちていくクロス。失ったその糸口をつかむために、堕ちて、墜ちて、落ちて――――
「……ロス、クロスってば!」
「……っ」
シャルの呼びかけで、クロスの意識は現実に…と言っても仮想世界だが。いや、今現在のクロス達SAOプレイヤーにとっては、この場所こそが《現実》か…に呼び戻される。
隣を見ると、不思議そうな顔をフードからのぞかせるシャル。
「どうしたのよ。次の階に続く階段、見えてきたわよ」
「あ、ああ……すまない。考え事をしていた」
「まったく……」
シャルの言葉通り、視線を前に向けると、黒い石造りの階段が見えてきていた。何段あるのかここからでは判別もつかないが、あれはほぼ間違いなく、次のこの迷宮区の次の階――――すなわちは、アインクラッド第一層のフロアボスが待ち受ける《ボスの部屋》、そしてその奥の、次層へ続く階段がある、二十階へと続く階段だ。
「……行くか」
「もちろん」
クロスが問うと、シャルが興奮した調子で頷く。誰も辿り着いていない最上階へとたどり着くのが楽しみになのだろう(あくまでクロスの下手な推測でしかないが)。
だが、その望みというかなんというかは、結構あっさりと敗れた。
「……プレイヤーがいる」
クロスの索敵に、反応があったのだ。ミニマップに表示された光点は、プレイヤーをあらわす緑。数は六。SAOで組めるパーティの上限とぴったり同じ数字だ。それを考えれば、彼らがパーティならば十分な人数であると言える。
因みにそのパーティを全部で八つ集めたのが上限四十八人の《レイド》、さらにそのレイドを八つ集めたのが《レギオンレイド》、となるらしいのだが、システムに登録され
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