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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十五話/SIDE-V 若人は日々成長する
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回避できる」
ああ。それが現在ある材料でのベターな選択だ。
本格的な開戦は近い。イル・ファンはもう目と鼻の先だ。決行前に私もやるべきことをしておくとしよう。
要塞の哨戒塔へ上がる。いた。目当ての人物を発見。
「イバル」
「……お前か」
何をふて腐れてるんだ。まさかローエンの戦略会議に付いて行けなかったから、ではあるまい。
「いつになったら発つんだ」
「発つとは?」
「イル・ファンへだ! ミラ様を救い出すのは俺たち共通の本懐だろう! なのにシャールの連中に付き合ってここで足踏みして! これでは千日経ってもミラ様をお救いするなどできないだろうが!」
……ここに他の兵士がいなくてよかったな、イバル。もしいたら口封じに捕縛術くらいはかけてやっていたところだ。
「そのミラの件で話があって来た。イバル。ニ・アケリアに戻るぞ。エリーゼに預けた〈カギ〉を返してもらいに行く」
「エリーゼ……あの人形娘か。そういえば出発前に何かを渡していたな」
「ああ。あれはミラを救い出すために不可欠の品なんだ。エリーゼ自身も戦力になる。そろそろ連れに行かないと、約束を破ってしまう。イバル、夜中にワイバーンを飛ばすことはできるか?」
「できるが……」
「ならその足で今夜にでもニ・アケリアに直行だ。旅支度をしておけ」
イバルの表情がこれ以上ないくらい輝いた。きっとイバルの頭の中ではニ・アケリアからイル・ファンに直行なんだろう。
悪いがそうは行かないんだ。カン・バルクでガイアスに謁見申請を出すとローエンたちに約束してしまってな。
頭の隅を過ぎる、傷だらけのフェイリオを見つけた時の、恐怖。
〈代役〉をいかに上手くこなすかに拘ったせいで、フェイリオはあれほど痛めつけられた。
腹は括った。歴史が私が知るものと食い違おうが、最善と思える行動を選択する。
ワイバーンで一晩かけて海を渡り、ア・ジュールのニ・アケリア村に着いた私たち――正確には私一人は、人生で久しぶりに驚くことに直面した。
「ヴィクトル! むかえに来てくれたんですか!?」
『わーい! 待ってたよー!』
ぼすぼすっ。腹に飛び込む塊二つ。内一つが、若草色の瞳を輝かせて私を見上げてきた。
「エリーゼ……なのか?」
「はい!」
『他のダレに見えるんだコイツめー!』
お……どろいた。しばらく離れただけでここまで様変わりするとは。
服が常盤色になって、髪を一部上げたという外見的変化はもちろん、彼女の表情は健全な環境で育った12歳少女と比べても遜色ない。ニ・アケリアの何が彼女をこうも劇的に変えたんだ。
「強くなりなさいって言われましたから、わたし、がんばったんですよ。治
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