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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十五話/SIDE-F わたしを全部あげていい
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? わたしはまたお姉ちゃんに会えるのでしょうか?
「フェイリオさん」
「っ、クレインさま」
潮風でバタバタする髪を押さえてふり返る。
「気分が悪くなったりしてない?」
「ヘーキ。フェイ、船、強い」
「よかった。……すまないね」
ふえ? 何が?
「戦略上の都合とはいえ、ヴィクトルさんと引き離してしまって」
ああ、そのこと。
わたしはマクスウェルってことになってるから、「パパ」って呼んでるパパは、「お父さんみたいに尊敬してる人」って意味で使ってる、ってウソついてる。今だけ、わたしとパパは父娘じゃない。
……父娘だった時なんて、一度もないけどね。
「いいの。わたしが付いてったら、パパに雑念が入っちゃう。あちこち兵隊さんでピリピリしてる時に、それはよくない。パパにも、一緒に行くイバルとエリーにも。わたしがいないなら、パパは万全。ちゃんと仲間を守ってあげられる。だからわたしはパパの近くにいないほうがいいの」
「どうしてそんな言い方……」
だってホントのことだもん。
「わたしがちゃんとパパと話せるようになったのはつい最近。それまではパパ、お姉ちゃんばっかり構って、わたしには見向きもしなかった」
「精霊にも姉妹の概念があるのかい?」
「あるよ」
ミラさまとミュゼみたいに、同じ精霊に造られたとかね。
「わたしはあの家にいない空気の子。お姉ちゃんだけがパパのタイセツでトクベツだった。お姉ちゃんはパパのウンメイノヒトだったから」
「ヴィクトルさんが…どうしてそんな、姉妹で差をつけるような扱いを」
「わたしが、余分に産まれてきた子だから」
よかった。思ったよりすらすら言えた。
「今はわたししかいないから気にしてくれるけど、ここにお姉ちゃんがいたら、わたしは後回しにされてる。それくらいパパはお姉ちゃんをアイシテルもん」
クレインさま、何も言わない。重い話だもんね。何も言いたくなくなって当たり前だわ。
「クレインさまのお父さんとお母さんは……」
あ! しまった。フェイの馬鹿。ガンダラ要塞で言ってたじゃない。クレインさまとドロッセルさまのお父さんお母さん、あの王様にシュクセイされたって。
「ゴメンナサイ」
「謝るようなことじゃないよ。一緒に生きた時間は確かに人より少ないかもしれないけれど、僕もドロッセルも幸せだった時間を覚えてるから」
やっぱり強いな、この人。最初から強い人ってうらやましい。
フェイはバカだったから、たくさん失くしてから、ようやくちょっとだけ分かるようになった。それだって〈ジュード〉に手伝ってもらってだった。
「でも、今思えばその時からだった気がする。『このままじゃ終わらない』と思うようになったのは。い
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