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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十五話/SIDE-F わたしを全部あげていい
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……ドロッセルさまの発言ってたまにアブナイ。イバルもあんぐりしてるよ。
「ところでイバル、さっきフェイに伝えることがあって来たと言ったわよね」
「あ、ああ」
イバルは気まずそう。よその家庭事情に深入りしたってイイコトないんだから、わたしとパパのことも知らんぷりしちゃえばいいのに。無関心でいてくれないトモダチが出来たのは、喜ぶべきかな?
「戦略上の都合でア・ジュール王に会いに行くことになった。俺とお前の父親が先行してア・ジュール入りして、首都カン・バルクで謁見手続きを取る。シャールと執事はギリギリまで外部交渉で粘って合流する手筈になってる。その時にお前もシャールと執事に付いてア・ジュールに来るように。それがお前の父親からの伝言だ」
さらに3週間ほど経って、わたしのケガは大体治ったので、クレインさまとローエンと一緒に出発することになりました。
「完治じゃないから無理は禁物よ。具合が悪くなったらすぐお兄様かローエンに言うこと。いい?」
「はい。ドロッセルさま。今日までたくさんお世話してくれて、ありがとうございました」
ぺこり。腰を折ってお礼。
「そんなもう会えないような言い方しないで。旅路の無事を祈ってるわ。必ず帰って来て」
次にドロッセルさまはローエンの前に立った。
「少し前にア・ジュールの沿岸が攻め込まれたばかりと聞くわ。くれぐれも気をつけて」
「もったいないお言葉です、お嬢様。行って参ります」
そして最後にクレインさまの胸に飛び込んだ。クレインさまも絹のヌイグルミを抱くみたいにやわらかくドロッセルさまを抱き留めた。
「すまないね。留守の間は苦労をかける」
「気をつけてね、お兄様。死なないで。必ず私のもとへ帰って来てください」
「ああ、必ず帰るよ。僕の可愛い妹。カラハ・シャールの宝物」
ドロッセルさまは頬に、クレインさまはおでこに、お互いにエアキスを贈り合う。本当にお互いに想い合ってる兄妹なのね。
お姉ちゃん……どうしてるかな。何だか急に、お姉ちゃんの顔が見たくなっちゃったよ。
〈オリジンの審判〉が終わって、因子化も治った。ルドガー・パパとあっちのみんなと幸せに暮らせてるといいけど。
わたしたちはカラハ・シャールの最寄りのサマンガン海停から船に乗った。これからイラート海停へ行ってシャン・ドゥを目指すの。
イラート海域の空って、ふしぎな空の色なの。昼と夜が一緒にあって、境界線で分かれててね。お姉ちゃんにも観せてあげたい。
ホントに。お姉ちゃんと―― 一緒に観られたらよかったのに。
今はまだ世界のどこにもいないエルお姉ちゃん。いつかルドガー・パパとママの間にあなたは産まれてきてくれるでしょうか
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