第八話***光神少女
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フィーネ・ムジカ。
魔導士で、光魔法と銀術を使う。
光神シャイナルの神使い。
先程木陰から姿を現した少女は、そう自己紹介をした。
そして、現在、クウヤとフィーネは肩を並べて歩いている。
「……で、何故、オレとフィーネは一緒に歩いているのだろうか」
「あら、説明したでしょう。
クウヤは仕事で、何故森バルカンの親玉が何故興奮して暴れ狂っているかを探らなければならない。私は森バルカンの親玉が興奮して暴れ狂っている事に興味がある。
何かあったら、私も手伝うし、貴方は依頼達成、私は興味事項を調べられる。別にデメリットは無いわよね」
「訳わかんない……興味があるからついて来ますって事?」
「よくおわかりで」
フィーネは無表情に返し、クウヤは苦笑いした。
そしてしばらく歩き続けーーーーーーーー
「洞窟だ」
「洞窟ね」
洞窟が出現した。
「ここに親玉居るかな……入ってみるか」
「少し待って……今、魔法で軽く探ったけれど、この先、闇ばかり……光を感じないわ……普通じゃない、危険だわ」
「じゃあ、フィーネはそこで待ってたら。先に帰っても良い……オレも、魔法で空気の流れ位なら探れる、この流れは、親玉かはわからないけど、確実に何か居る……!」
「なら、尚更危険……」
「それでも、さ、オレは行かなきゃならないし。与えられた仕事すらこなせないなんて、ギルドの……妖精の尻尾の名折れだから」
「……わかった、私も行く。一人より二人の方がまだ安全よ」
しばらく進むと、クウヤとフィーネの鍵石が点滅し出した。
更に行くと、開けた場所に出て、そこに、暴れている森バルカンの親玉とフード付きマントのフードを深く被った人間ーーーー魔導士が居た。
魔導士のマントの留め具になっている黒の珠が点滅している。
つまり
「神使い……」
と呟いたのはクウヤか、フィーネか。
はたまた両方かもしれない。
魔導士は二人の方をチラッと見て、
「あらあら……見つかってしまいましたか……では、私は退散かしら」
その声は、男にしては高く、
「まさか……女……」
クウヤが呟くと同時に闇に紛れて消えた。
そして、今まで暴れていた森バルカンの親玉は不気味な程に静かになり、
ドス
と、倒れて、息を引き取った。
「え……死ん……だ……?」
フィーネが呟き、クウヤは無言のままに頷いた。
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