九校戦編〈下〉
九校戦四日目(2)×名無しの実力とハンデ
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〜」
独り言のように言ってから、滝上のでジャンプした後に着地した選手の水中に地雷が置いてあるのを気付かなかったからか水中爆破で波が出来てボードから落ちないのがやっとだった。で、あっという間に三周したので俺は最速記録をしたのだった。それを見ていた一真と雫もタブレットで映像を見ていた。
「一真さん、名無しさんは何を使って消えたの?」
「そうだな〜空間移動に風と水とサイコパワーを使ったマルチキャストとでも言っておこうか」
あちらは終わったので、名無しは鉄板ボードを担ぎながら姿を消した。競技用特化型デバイスは、魔法の種類に応じてデバイス自体を変えるのが一般的であるが、一真はこれからの選手の次の次の試合準備に入る。雫は決勝トーナメント用のデバイスが保管されている天幕へ、一人で向かった。
「三人とも予選通過で、名無し君は二つの競技でも予選突破したのか」
一高本部の天幕に戻った真由美の元へ届けられた、スピード・シューティングの予選結果と名無し選手の二つの競技での予選結果。それを見ながら独り事のようにつぶやいた。
「今年の一年女子は特にレベルが高いのか?」
決勝トーナメントに進出するのは、予選二十四名中八名。その八名に同じ学校からエントリーした三名が共に入っているという事は、本戦、新人戦を通じて過去にも例はない。摩利は分からないフリをやめるように言われると肩をすくめてみた。
「バトル・ボードの方はどうなっているのかしら?」
「男子は二レースをを終了していずれも予選落ちですが、名無しさんは女子レースの中に混じっていたので予選突破した模様です。鉄板ボードを使用というのもハンデの一つだったようです。ですが消えてからの移動はさすがの私でも分かりませんが、まるで空間移動でもしているようにも見えました。女子は一レースに出場して予選突破のようです」
「男子はあと一人か。女子の方では、最終レースに光井さんが予選突破確実でしょうから、こっちもあーちゃんが頑張ってるからからかな」
「当校も、もう少し技術者の育成に力を注ぐべきかもしれんな。それと名無しに関して使った魔法が一切分からないというのも、問題点ではあるな」
自分の端末で見ていた会頭であったが、名無し=一真が使う魔法が何なのかさっぱり分からないという事は、作戦スタッフや選手であった会長でさえ分からず仕舞いとなっていた。スピード・シューティングの準々決勝は四つのシューティングレンジを使用して行われる。決勝トーナメント進出の八名が全て別々の学校であれば四試合が同時に行われるが、同じ学校の選手が含まれる場合、試合が重ならないように時間調整される事になっている。まあ準々決勝では同じ学校の選手同士での戦いはない。とは言っても同じレンジで一試合行う準決勝に比べ、各試
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