流れる日々
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いている派手なブレスレッドを誰も目に留めず行きかう様子を見て、とある“疑問”を抱いた事だった。
“まさか、彼等は……観束総二と津辺愛香は―――――『ツインテイルズ』なのではないか?”
……そういった、事実無根に近い、戯言とも言える疑問。
しかし瀧馬は、二人が悩み苦しむ光景を見て、もしかすると当たりの色が濃くなったかもしれないと思いはじめているのだ。
(突拍子も無い事だが……アイツらが悩んでいるのは、戦場に現れる紫ツインテールの少女……俺の正体が未だに掴めない事じゃあないのか……?)
そう考えれば、彼等の悩みようにも納得はいく。
敵か味方かも分からない、エレメリアンを喰う、実力は未知数、自分たちよりも早く現場へ到着できる、謎の属性力を持つ……考えうるだけでもこれだけ悩める要素が存在し、敵と戦わねばならないのに第三勢力が現れたという事もあるのだから、奇怪な行動を取っても不思議ではない。
(……考え過ぎ、だといいけどな)
疑問に辿り着いた一番有力な情報は、テイルレッドの話題を異常な程のツインテール好きである総二が避けている事だ。
他にもあげるなら、謎の銀髪少女の存在、類を見ない程のツインテール属性の強さ、そして自分が性転換を体験したという事象。
足早に彼等の横を抜けていく瀧馬。
……その所為で気が付かなかった。
「やっぱりエレメリアンってのが有力かもな……や、でも、同じエレメリアンなのに何で食べちゃうんだろうな」
「属性力を糧にするなら同族でも同じ、って事かも」
「テイルレッドの時の対応でも気を使うってのに……」
重要で、決定的な一言を彼が言い放ったのを。
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午前中の授業を終え、陽月学園は昼休みを迎える。
テイルレッドテイルレッド(たまにツインテール)五月蠅い連中から逃れるために、瀧馬は普通は立ち入り禁止とされている屋上へ、何のためらいも無く踏み入った。
身体能力が人間を超えているので、普通は乗り越えられない高い柵も悠々と乗り越えていき、パンが仰山詰まった袋を置いて座る。
燦々と降り注ぐ陽光は、春というこの季節特有の熱くもなく物足りなくも無い、温かな日差しであった。
まずはこれだと、妙に大きいメロンパンを取り出して齧りつく瀧馬へ、ラースが話しかけてくる。
『さて相棒! 俺のおしゃべりに付き合って貰ウゼ! 授業中はおしゃべり出来無くて退屈だったからナア!』
「嘘つくんじゃあねぇ。何回か話しかけてきてたろうが」
『話しかけただ
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