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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
10話 剣のネクシャリズム
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!」

 随分と表情豊かな鳩なこった!と軽快に笑う忠亮に対し、引き攣った笑みを浮かべながら内心でそんな突っ込みを入れる唯依だったとさ。

 そして、暫くして二人を乗せた車は目的地へと到着する―――


「これは、お帰りなさいませ旦那様。」
「ばあや、留守中変わったことは?」

 辿り着いた帝都城近くの武家屋敷―――かつて江戸時代に参勤交代で江戸に赴いた大名や連れの武家たちの住処である江戸藩邸の一つだ。
 斑鳩家に養子入りした忠亮はその内の一つを貰い受け、居を構えていたが軍務で滅多に戻ることが出来ないこともあり、保守管理を任せてある高齢に差し掛かろうかという女中がやや慌てながらに出迎えてくる。

 唯依の母もこの近くの武家屋敷に居を構えている―――京都の家はもう、無いから。


「これと云って特に……おや、そちらの方は?」

 送迎用の車両から降りた自分が車から降りると彼女の目に留まる。

「ああ、篁唯依中尉だ。」
「ああ!貴方様が!!私はお家の管理をさせて頂いております山口と申します。」

「は、はぁどうも」

 山口さんの態度に面喰い、やや引き気味の唯依だが忠亮はそんな彼女を置いてけぼりに話を進める。

「彼女に例の物を頼む、俺はじきに来客があるから応接間にいよう―――彼女の準備が整ったら其処へ通してくれ。」
「はい、畏まりました。ささ、こちらへ―――」

「え、あ、ちょっと!?」

 山口さんに引っ張られ、屋敷に引きづり込まれる唯依の姿が奥へと消える……そして、やや遅れて一つの車が屋敷前に到着するのだった。
 そして、その車の後部座席から一人のスーツに身を纏った妙齢の男性が姿を現す。

「おや、早すぎましたかね?」
「いえ、丁度良い塩梅です。無為な時間は少なければ少ないほど良い――どうぞ、中へ千堂専務。」

 そう言って斑鳩忠亮は河崎重工業専務を屋敷内へと招き入れた。





「―――此方が壱式戦術迫撃刀及び壱式追撃刀の契約資料となります。斯衛軍に納品されるこれらの武装収益の内、3%が斑鳩卿の上納金となります。お確かめを」
「ああ、態々すまないな。」

 応接間の机に広げられた資料を読み、確認のサインを綴っていく忠亮。
 右腕が無いため字がやや書き辛いのが難点だが、ある程度はもう慣れた。

「しかし、盲点でしたな。わが社の兵器開発局長もレポートを目にしたときは愕然としていましたよ――まさか、空力制御をあんな風に扱う衛士が居がいて……更に、専用の電子機器のアップグレードと知能情報工学と人間工学を複合させOSを改良することで問題となっていた稼働時間と操作性を解決するとは……」

「何、別段難しくない……あれは武道の無拍子という技のちょっとした応用だ。」

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