空白期 第15話 「楽しく」
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しら言ってると思ってたんだけどな」
「え……ということは」
「うん、桃子さんを含め君の家族とはそれなりに親しくしてるよ」
それほど衝撃的な事実ではないと思うのだが、高町にとってはそうでもないようで、何やらブツブツと呟いている。その一方でお菓子を食べ進めるあたり彼女も少女のようだ。
フェイトも普段と戦場じゃ雰囲気とか違うけど、高町もこうして話してる分には普通の女の子だよな。あんなえげつない砲撃を撃つなんて想像できない。
「……ん? あのさショウくん」
「何?」
「お父さんのことは何て呼んでるの?」
「士郎さんだけど?」
「……お兄ちゃん達は?」
「恭也さんに美由希さん」
聞かれたことに素直に答えたわけだが高町は俯いてしまった。何かおかしなことを言ってしまったかと考えるが、今の会話でおかしいところがあるようには思えない。いったい彼女は何を考えているのだろう。
「……高町、どうかしたか?」
「どうかって……それだよ、それ!」
シュテルと対面したときのようなテンションで話し始めた高町に自然と身を引いてしまった。テーブル越しに座っているのに何て迫力だろう。普段穏やかな子が怒ると怖いというのは、今みたいな感覚に襲われるからだろうか……なんて考えている場合ではない。
「えっと……どれ?」
「私の呼び名だよ」
「呼び名?」
何か問題があるだろうか……さんとかちゃんを付けろとでも? いや、会ってからずっと『高町』と呼んできたのだ。いまさら変えろと言われるとは思えない。
「何か問題でも?」
「問題というか、何でお母さん達は名前なのに私だけ苗字なのかって話。私はショウくんと学校でも一緒だし、魔法関係でも付き合いあるよね。お母さんはまだしも、お兄ちゃん達よりは親しくしてると思うんだけど!」
「え……まあそれは」
現状で言えば確かに高町の言うとおりではある。
えーと、この会話から高町の言いたいことを予想すると……名前で呼べということだろうか。長いこと苗字で呼んでいただけに今更変えるのは恥ずかしいのだが。
「ショウくん、なのはちゃんがこれだけ言うとるんや。素直に名前で呼んであげたらどうや?」
「いや、その……」
「我が呼べと言ったときには素直に従ったではないか。それに名前で呼ぶくらいどういうこともあるまい。知らない仲でもないのだ」
「確かに知らない仲じゃないけど……だから困るというか。……恥ずかしいし」
桃子さん達に知られでもしたら、何か面倒なことになる予感がする。桃子さんとか「ショウくんがうちのなのはと結婚して、翠屋を継いでくれると安心なんだけど」なんて冗談を口にするときがあるし。
「ってことは、ショウくんはなのはちゃんを1番意識しとるってことやな」
異性
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