三話「朋也」
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の犯人はお前なのか?」
俺は、同じ化け物と知ってあの時の夜に戦って追っ払った化け物のことを思い出した。
「いや、あれはサイボーグソルジャーの初号機。性能は中々のものだが、正体は僕じゃない。それと……あの事件はすべてこの僕が関与しているものであって、お前には何のかかわりもないよ?」
「……」
しかし、俺はホッとした気にはなれなかった。こんな怪しげな青年が自らを主犯格と告げてきたら、誰だって落ち着きはしない。
「あれ?どうしたの、あんなに事件のことを気にしていたのに」
青年が俺の無表情な顔を除く。
「今知りたいのは、俺の記憶だ…」
「じゃあ、初号機を倒して僕のもとまでたどり着け、そして僕と戦って勝てたら話すよ?」
「……いいだろう」
俺の一言で、青年はフッと笑いその場から立ち去って行った。彼が居なくなったと同時に智代が電話を終えてこちらへ戻ってくる。
「すまない、待ったか?」
「いいや……」
「シン……?」
智代は、俺の険しい顔を覗き込む。
「あ……?」
そんな心配する智代に俺は我に返った。
「どうした?何かあったのか?」
「いや……何でもないよ」
「……その、先ほどの答えだが」
そういえば、同居についての件で問われていたのを忘れていた。そうだな……?
「……すまないが、もうしばらくだけ時間をくれないか?」
答えはそれだ。先ほどの青年と出会ったことで、俺は必至で自分の記憶を取り戻したいと思った。
「俺も、まだ知りたいことが残っている。それまで待ってくれるか?」
「……」
智代も、少し黙ったが時期にほほ笑んでこう答える。
「わかった……すまない。いきなり、こんなことを聞いてしまって」
「ああ……」
気まずい雰囲気に見舞われながらも、俺たちは家へ帰った。それから夜まで俺は智代と口を利くことはなかった。やはり、彼女の期待に応えられない返答をしたためだろうか?
とにかく、この雰囲気で休みの日は終わりを迎えた。
翌日、智代は出勤し俺は一通りの家事をする。昨日のことがあって俺は新聞を読むのはやめた。
「ねぇ!シンオッサン」
夕暮れ時、毎度のように河南子が遊びに来ている。幸い今日は祝日のため学校は休みだから大丈夫だが、彼女は今日もう一人客を連れてきた。
「シンさん、この間はどうも」
その客とは、鷹文であった。彼とは河南子の捜索以来である。
「今日は部活が休みなのか?」
「はい、ゆっくり自宅で過ごすつもりが河南子に連れ出されてしまいまして……」
「そりゃあ、災難だったな?」
「あぁ?だって鷹文の野郎が家ん中でするっていったら部屋に籠ってエロゲーしかすることねぇじゃん?」
と、河南子が呆れた口調で言うも、当然鷹文はありもしないことを俺に聞かされて全否定する。
「ちっがーう!パソコンで海外の友達とメール
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