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仮面ライダー真・智代アフター外伝
三話「朋也」
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ん朋也のおかげで。
「でさぁ?河南子がアイス食べ終わったら……」
「外には出ないぞ?」
俺はきっぱり断った。
「ちぇっ……ケチ!ちょっとぐらい良いじゃん?」
「これ以上智代に説教されるのは嫌なんだ」
「へぇ〜?ひょっとして、シンオッサンは先輩のこと好きだったりするんスか?」
そう河南子はからかってくるが、俺はあいかわらず無反応でかえす。
「あいつには朋也っていう恋人がいたんだろ?もうこの世にはいないにせよ、俺が彼女に手を出したら、朋也から大切な人を奪っちまう気がするし、智代だって悲しくなるに決まっている。だから、俺は彼女に興味はない」
俺はそうキッパリと答え、河南子はつまらなそうな顔をして、そっぽを向く。
「でもさ……シンオッサンはそう思っていても、先輩はどう思っているかはわからないよ?」
しつこいように河南子はまだ絡んでくるのか?
「くだらねぇ……仮に彼女が俺のことを好きになっても、あの世にいる朋也は浮かばれねぇだろうが?」
「でも、アイツだって本当は先輩の幸せを願っているんじゃないんスか?それに、先輩はシンオッサンを何日も居候させてんじゃん?それってシンオッサンがアイツに凄い似てんだからじゃない?」
「河南子、お前は何が言いてぇんだ?」
「別にぃ?ただ、このまま記憶が戻れば、シンオッサンは出て行っちゃうんしょ?先輩を置いて」
「ああ、そうだ。ここは智代と朋也の家だ。俺がここにいつまでも長居する資格はねぇよ……それに、俺は朋也の代わりは無理だ」
「……先輩のこと、どう思ってんの?」
唐突に何を言うかと思えば、俺はそんな彼女にキッパリこう答える。
「嫌いでもなければ、好きでも無い。ただ、彼女は俺の恩人ゆえにこうして尽くしている。ただ、それだけだ……」
「……」
すると、アイスを食い終わった河南子は立ち上がると、突然俺の脚へ蹴りを入れだした。
「痛っ……何すんだ?」
「あんたさ、先輩のことを空気とか思ってんの?」
「は……?」
俺は、彼女が何を言っているのかわからなかった。
「あたしと居る時の先輩は、いつもシンオッサンのことを話してんだぞ?」
「河南子……オメェは俺に何をさせてぇんだ?」
俺も彼女の屁理屈な行動に苛立ち、わずかに睨んだ。
「先輩は……いつも一人ぼっちなんだぞ?ああ見えて、先輩は河南子よりすんげー武道家だけど、本当は心が弱ぇから朋也の死を未だ引きずってんだ。河南子からアイツの話を聞いて、ちったぁ慰めてやろうっていう気にはならねぇのかよ!」
河南子は、そういうなり俺の胸ぐらをつかんだ。しかし、俺の表情は変わらずそのまま胸ぐらをつかむ彼女の両手をつかんで離した。
「俺は、智代の過去には関係のない存在だ。そうやってお互いの傷をなめ合う役目は同じ過去を持った人間でなくては意味がないと思うが?」
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