三話「朋也」
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してあの化け物が殺人事件の真犯人だということが判明した。なぜ、彼らが事件のことを……
「それにしても、シンのやつも可愛そうな奴だな?生き返った途端、化け物にされちまってよ?」
化け物?シンのことか!?
連続殺人事件、そして彼女が出会った謎の青年「シン」、この二つの存在が二人の口から出たとき、智代は身を潜め、息を殺し、彼らの話を聞き続けた。
「あいつって、最初は普通の人間だったんだろ?それが、新型のサイボーグソルジャーを生み出すための実験体になったんだろ?」
「そうさ、でも生きた人間だと後々面倒だからって、死んだ人間の体から作らせたらしい。どうやって蘇生させたかは知らないが……」
「葬儀のときに遺体をすり替えたのかな?」
「おそらくそうだろ?遺族には申し訳ないことをしたもんだ。遺骨も埋葬されていないからっぽの墓石へ、墓参りしにいくんだからな?」
「ところで、シンの本名だが……なんていう名だ?」
「さぁな、そこまで俺たちみたいな下っ端には伝えられていないから知らないな」
その後は、別の話へ切り替わり、研究員達は地上の食堂へと向かった。
「そんなことがあったのか……」
智代は、唐突に訪れた衝撃の事実に目を丸くしていた。自分の勤め先がシンと、彼が気にする殺人事件の真相に関わっていたとは。
智代は、このことをシンに話すべきか悩んだ。しかし、それ以上に彼の正体について気になり始める。
「……」
だが、智代は先ほどの話はなかったかのように黙って通路を歩き出した。今更シンにそのことを伝えたとして、彼が混乱して暴走してしまう恐れもある。ここは、彼自身が真実にたどり着くほうがいいのかもしれない。
*
「シンオッサン?」
一方智代のアパートでは、河南子が鷹文から奪った合鍵を使ってシンのもとを訪れていた。シンは関わらないため新聞を広げて彼女を無視する。
「おい、ちょっとはコッチ向けよコラ!」
そういうなり、こちらへ向けるシンの背を軽くける彼女に、シンは不愛想に答える。
「ゲーセンにはいかねぇぞ?」
「別にもういいよ?河南子が負けたってことにしておくからさ?」
「じゃあ、何の用だ?」
「先輩が留守だし、暇だからシンオッサンで遊ぼうと思ってさ?」
「俺は物じゃねぇぞ……?」
だが、俺は彼女自らここへ来てくれたのは好都合として、新聞を置くと彼女へ振り向きこう尋ねた。
「河南子……岡崎朋也について話してくれないか?」
「あぁ?何でオメェなんかに話さなくちゃいけねぇんだよ!」
当然不機嫌になって河南子はそっぽを向く。しかし、俺とて俺に関係する人物のことならば是非知りたい。頼むから、生意気な態度を取らずにこっちへ向いて話してくれないだろうか?
「冷蔵庫のアイス、食っていいから……」
今夜
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