三話「朋也」
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て玄関で俺にこう告げる。
「留守の間は頼んだぞ?それと、河南子が遊びに来ても決して彼女についていくなよ?」
「あ、ああ……」
そう、前回河南子が俺のもとへ再び現れて前回のリベンジだと言って俺をゲーセンへ連れ出した。そのあと、智代にこっ酷く叱られたな?
智代は出かけ、俺はさっそく流しへ行って食器を洗い出した。最初は力のコントロールができず、よく食器を割っていたが、今では大体のコツをつかむことができ、皿を割ることは少なくなった。
こうして、研究所から脱走して外の世界で生活をしていると、妙に懐かしさがこみ上げてくる。
今頃、研究所の連中は必至で俺を探しているころだろう?俺は、もうしばらくこの生活が続いてほしいと強く思った。
*
研究上にて、
シンが研究所を脱走して以来、施設ではシンの捜索に全力を注いでいた。
半月前、サイボーグソルジャーと交戦し、彼に致命的損傷を与えたシンについて、彼のデータを徹底的に解析をし直すことになった。
「非常に、信じられない事実だ……」
つい半月前まで脱走した失敗作のシンはサイボーグソルジャー初号機との戦闘により驚くべき戦闘結果を出していた。それは、ベッドに横たわるサイボーグソルジャー初号機が記録したデータと彼の懐のアーマーにできた深い凹みが証明していた。
「やはり、シンは成功例なのでは……?」
そう部下の研究員がつぶやくが、それを否定したのはリーダーであった。
「いや、シンは失敗例だ。余計な感情を持ち合わし、マスターの命令に従わず自分の意思で暴走する失敗作なのだよ」
そういって彼は席から立ち上がると、皆へこう告げる。
「今後我々の課題はシンの捜索及び抹殺となる。今回、初号機に重傷を負わせたシンのデータを徹底的に解析し、次こそ初号機でシンの抹殺を遂行せよ!」
その一言で各研究員はお互い気を引き締めあった。
作業は昼で一時中断し、交代で食事をとることになり、そのなかで今回新しく入ってきた二人の研究員が通路で互いに愚痴っていた。
「ったく……上司のやつら、俺たちを好き放題にこき使いやがって!」
「そうだよな?だいたい、ああいう雑用作業は事務員にやらせるだろ普通」
そんな二人の歩く通路の突き当りからは帳簿の書類を小脇に抱えて歩く智代の姿が見えた。彼女は偶然研究員たちの話し声が聞こえ、その内容に耳を傾けてしまった。
「……いくら性能試験とはいえ、サイボーグソルジャーで人を殺して実験するのはどうかとおもうよ」
「そうだよな?それも、襲う相手が女性ばかりだなんてどういう神経してんだ?」
「おそらく、体力ともに力の弱い相手と認識して襲っているんだろ?」
どういうことだ……!?
智代は、二人の研究員たちが話す内容にシンが追っている殺人事件が出てき、それも真相から
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