第6話
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
耳元で呟いた。
「わぁ、お姉ちゃん、びっくりさせないでよ」
と耳元で呟かれ、飛び起きながら喋った。
暫くして、姉妹は普段余り着ていない和服に着替え終えて二人は見合いあった。二人ともそれぞれに合った和服と簪を身に着けており、中々様に成っていた。
「私、負けちゃったね」
と簪が呟いた。
「大丈夫よ、簪ちゃんまだまだ強くなれるし、それにもう少しで私が負けたかもしれないし」
と刀奈はそっと簪を両手で包み込むようにしながら慰めた。
「二人とも起きたのか」
と部屋のふすまを開けながら、隆元が呟きながら入ってきた。そして、
「二人とも着替え終えたのか。それなら一緒に来なさい」
と有無を言わせないという雰囲気を醸し出しながら隆元は、二人を招えた。
そして、長い廊下を隆元が先頭に立ち、その後ろに刀奈と簪が付いて行った。その廊下が終わり、正面と横の方に大きな扉と小さな扉があった。その中間の辺りで隆元が立ち止り、二人に言って聞かせた。
「刀奈の方は正面の部屋に入っていなさい。簪は、私と一緒にこっちの部屋に来るんだ」
と言った。
「簪ちゃん、後でね」
と言いながら、大きな扉を開けて部屋に入っていった。
「さあ、簪、こっちに来るんだ」
と言いながら、簪と共に小部屋の方に入っていった。
それが二人の姉妹の運命が大きく分かれていった。
父に連れられて小部屋に入った簪は言い知れない不安が脳裏にふと過ぎったが、忘れようとして、頭を軽く振り気分を変えた。
「失礼します」
と軽くお辞儀をしながら部屋に入った。
その部屋は和室であり、床に畳が敷かれてあり、正面には母が和服姿で正座しており、その隣に父が正座し座りその前には、茶柱を立てた湯呑が置いてあり、そして向かい合いには、簪が座るための座布団と湯呑があった。
「簪、そこに座りなさい」
と父の一言が響き、簪は
「はい」
と言いながら、正座をして座った。
「さて、簪よく聞きなさい。前日の試合、あなたは刀奈に負けましたね」
「はい」
「そこで次期更識家の当主を刀奈にすることを私たち更識家及びその関係者一同は決めた。その為、これから刀奈に対して任命式を執り行うが、簪にはその任命式には出ないで欲しい」
「え...」
とその言葉を聞いた簪は困惑した。
「何で、出席出来ないのですか!」
と簪は抗議して立ち上がろうとしたが、
「静かにしなさい。立ち上がらずに最後まで聞きなさい」
と父が言った。
そして、簪は再度正座し直しお茶の入った湯呑を一口飲んで気分を落ち着かせた。
「家の代々の仕来りで、「楯無」の名は一人でしか名を継ぐ事が出来ず、私もこの名を継いだ時には、他の兄弟は、「不幸にも亡くなった」為に私が継ぐ事になった」
と父が理由を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ