第6話
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首を目掛けて振う。
「あらあら,簪ちゃん良く避けたわね。お姉ちゃんびっくりしちゃった」
とおどけながらも次の手を仕掛けた。
「お姉ちゃんこそ、私の手の分かっているくせに」
とその手を難なく避けてジャマダハルを構えた。
暫くすると、刀奈は鉄扇を広げ弧を描くように時間差を付けて投擲し、さらにその隙に脇に仕込んでいた、ダガーを数本同時に投擲した。簪は、ジャマダハルを床に突き刺し、床に敷いていた畳をあげて、鉄扇とダガーから身を守った。ドスッ、ガッと言う刺突音が響いた。それを見た、刀奈は、バック転しながら、後ろの武器掛けから、ブーメランを投擲し、畳を切り裂いた。ブーメランとは、元々は狩りの道具であり、戦いの為の武器でもある。史実でも、オーストラリアの先住民族とイギリスの植民地軍との小競り合いでも一部使用されたと書いてあった。切り裂かれた畳が床に転がったが簪の姿が無く、刀奈は、新たな武器である。脇差(わきざし)を手に持ち臨戦態勢を整えた。すると、畳が倒れた時に起きた埃の中から数本の矢が飛び出してきた。それは簪が、畳をあげた瞬間にジャマダハルから手を抜きとり、後方にある武器掛けから連弩を持ち放った物だった。連弩は、連射できる弓であったが、射程が短いためにあまり表舞台には出て来なかった。
しかしながら、この道場と言う限られた中では、その能力が最大限に生かされた。
「お姉ちゃん、そろそろ床に手をついたら?」
と簪は、怒涛の連弩による攻撃の後、刀奈に言った。すると
「まだまだ、時間もあるし、私もまだ元気よ。簪ちゃん」
と受け答えたが、簪の連弩による連続攻撃を脇差で弾き、身体全体で避けたがそれでも、少なからずの矢を身体のあちこちに受けたが連弩の欠点である威力不足が功を奏し、道着に刺さった程度であったが、その中でもいくつかの手傷や顔に対して浅い傷を付けた。
刀奈も、負けじと腰に備えていた残ったダガーを簪に向けて時間差を付けて放った。刀奈が放ったダガーに不意を突かれた簪は、連弩の発射口にダガーが刺さり、時間差を付けたダガーが頬を掠り、また違うダガーは、左ももに突き刺さった。その時、簪は痛みに声を出そうとするが、グッと耐え左ももに刺さったダガーを引き抜いた、そして、下半身の道着の一部を引き裂いて、左ももに縛って止血した。
「お姉ちゃん、よくもやったね」
「あら、お互い様でしょ」
と両者は、少し距離を取りながら、言い合った。
「両者それまで!また5分間の休息を取らせる!」
と今まで、無言だった審判が時計を見て、声を高らかに叫んだ。
「では、試合再開!」
と言う審判の掛け声と共に刀奈と簪は向かい合い、相手の手の内を見極めようとした。
「あら、来ないの簪ちゃん」
「大丈夫だよ。お姉ちゃん、今回でこの
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