第5話
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と声を荒上げて叫んだ。すると、一夏の目の色彩と髪に変化が現れた。
今まで、薄い茶色っぽい色彩だったものが、真紅に突然変わり、そして、髪の色も白銀色に近い色と髪の長さも長くなっていき、周囲を驚かせさらに、椅子を立ちあがった瞬間に倒した。
「一夏君、落ち着いて!」
「一夏、どうした!」
「一夏ちゃん、落ち着いて」
と医師、千冬、高嶺が一夏に語りかけた。茂は、すぐさま一夏に近寄り、
「大丈夫だ、心配しなくてもいいよ」
と優しく語りかけた。
しばらくして、落ち着きを取り戻した一夏の目の色彩が碧く澄んだ色に変わった後、
「御免なさい」
と頭を下げて言った。そして、
「僕に何があって、どんな風になったかを教えるよ」
と言った。
そういうと、一夏はおもむろに椅子から立ち上がり、上着を脱ぎ始めた。
「一夏、何をする気...」
と千冬が注意しようと言葉を発するが、途中でその次の言葉を失った。そして、一夏の素肌を見た一同が声を失った。なぜなら、一夏の上半身全体が著しく変わっていたのだから。
一夏の上半身はまるで、堅い甲殻のような身体つきになり、前部は、胸から臍まで周りに赤い物が楕円を描くようにあった。また、肋骨を囲むように鋭い爪の様な物があり、後部にも著しい変化があり、脊髄に沿ったすぐ外側から巨大な鎌のような物が生えており、さらに、両腕手が太く巨大な堅く鋭い物に変化していった。しかもその変化は、頭部にも及んでいった。頭頂部からこれまた鋭く湾曲した角が生え、毛髪が一本、一本が鋭利な棘の様なの物に変化し、頭部側面に肋骨と同じように囲むような鋭い爪の様な物が生え、鼻部の辺りに巨大な角がそそり立った。
その一夏の著しい変化を間近で見た,医師、千冬、円谷家の茂、高嶺は、言葉を失った。それはそうだろう、今まで殆んど変わらなかった身近な人が突然変わったのだから。
「これが、今の僕だよ。千冬姉ちゃん、茂叔父ちゃん、高嶺叔母ちゃん」
と変化前の一夏の声が周囲に響いたが、なぜかその声は悲しそうな声だった。
暫く、茫然としていた周りが、不意に声を発した。
「これは一体なんだ」
と著しく狼狽えた千冬の声が沈黙を破った。
ついに運命の歯車がその病身をゆっくりと速めながら進んでいく音がした。
「一夏、一体何があってこんな姿に...」
と千冬は、言葉を詰まらせながら一夏に尋ねた。
「千冬お姉ちゃん、ついさっき言ったばかりだと思うけど、千冬お姉ちゃんと別れた時に大きな窪みの真ん中くらいの所に大きな石が刺さっていて、そこから変わった生き物が出て来たんだ。その生き物が弱っていて、助けようと思って近寄って、触れた時に、その生き物が光りになって、自分に触れた瞬間に気が遠くなって、夢を見たんだ。その生き物は、
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