第5話
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ピッピッピッピっと規則正しい機械音のリズムを刻みながら、少しずつ、まぶたがゆっくりと開いていき、一夏の視界がぼやけながらも広がっていくのを感じていった。
「あれ、ここ何処だろう、真っ白い部屋だな」
と声を漏らすが、酸素マスクをしているので、その声が外部に漏れることはなかったが、丁度、巡回に来ていた看護師は、検査チェック用の診察表とボールペンを床に落とした音が部屋に木霊したのを一夏は聞いた。
「せ、せ、先生!特別病棟室の患者が、患者が、目を覚ましました!」
と泡を食って、院長室に飛び込んだ。すると院長は、
「落ち着きたまえ、患者が目を覚ましたのかね?他に何か変わった様子とかは無いのかね?ちゃんとした報告がほしい。もう一度、最初から報告をしてくれたまえ」
と冷静に看護師に尋ねた。すると、気持ちが落ち着かせた看護師は、もう一度しっかりとした報告の後、各方面の先生方にも報告しますと言ってから院長室を退席した。
部屋に残った院長は、部屋に備え付けの電話機ではなく、個人用のスマートフォンを取り出し、ある電話主に電話を掛けた。
「もしもし、円谷さんですが、医学(医科大学病院)の院長です。お孫さんの事ですが、いえ、特に(体調)急変したと言う事では無いのですが...落ち着いてください。最後まで話をさせてください。はい、それでは、本題の方に、お孫さんが目を覚ましました。え、よく聞こえない、ですから、お孫さんの意識が戻り、目を覚ましました。はい、それでは、お待ちしています。はい、はい、失礼します。では後程」
と言って電話を切った。
「さて、これからが大変だぞ」
と誰にも聞く人のない部屋で院長の呟きだけが静かに木霊した。
「さて、一夏君いくつか質問してもいいですか?」
「はい、良いですよ。」
一夏が病室から目を覚ましてから数日後、診察の為に診察室に呼ばれた。診察室には、一夏の他に姉の千冬と円谷家の面々も揃っていた。
「では、まず最初に今わかる範囲でいいので、どんな事があったかを教えて欲しいのですが、よろしいですか?」
「うん、分かったよ。ええっと、まずは...(この辺は、最初の出来事の方に書いてあるのでそちらの方を参照にしてください)っていう事があったんだけど...信じてもらえるかな?」
一夏が、今まであった事を話し終えた後診察室には沈黙の空気が漂った。すると、千冬が、
「一夏、そんな出鱈目いうものじゃないぞ!」
と一夏に対して怒った。すると医師が、
「まあまあ、お姉さんそんなに怒るものじゃないよ」
と宥めた後に一夏に向かってこう言った。
「一夏君、すまないが君の言っている事について、いくつか疑問に思っている事があるんだよ」
と優しく諭すように言うと、一夏が
「分かったよ!証拠を見せるよ!」
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