暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
近付く者達
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―――《死体》は……ないッ!
本能が警告を鳴らす。
首が嫌な音を立てるほどの勢いで倒すと、こめかみに強い擦過音とともに鉛の塊が通過した。
「く……ぉッ…………ッ!」
眼球だけ巡らすと、視界の端。海賊船にあるみたいな操舵輪のでっかい台座の影に、これまで倒してきた黒尽くめ達の中でも特に大柄な偉丈夫がいた。
厚い防弾ジャケットやベスト、弾薬が入っていると思われるポーチのせいで身体の輪郭が正確には測れないが、しかしその大きな身長そのものだけは隠し通せるものではない。その手に持っているのは、拳銃やマシンガンとも違う大きな銃口を持った銃器。
散弾銃
(
ショットガン
)
というものだろうか。しかしその名前とは違い、先刻の一弾は散っている感触は得られなかった。もし散っていたら、今頃頭は爆散していたことだろう。
―――う〜ん、散弾銃って言うからには散弾を発射しないといけないんじゃないのかなぁ。それとも不発ってこと?
疑問を抱えながらも少年は前傾姿勢から手のひらを床に叩きつけ、前転しながらレーダー画面が映っているテーブルの下に滑り込む。
だが一安心するのも束の間。ゴガァン!という爆発音みたいな音が至近距離で発生して視線を巡らすと、あろうことかテーブルの端が粗く抉れていた。
ひぅ、とノドが変な風に収縮する。
「弾を……はじけてない!?」
これまでのマシンガンの弾丸とは明らかに一線を画している。明らかに対人目的ではなく、対物用の弾丸だ。よくわからないが、普通なら『散る』ことで面的攻撃力を持つ散弾を放つ散弾銃を、あえて散らせない大きな弾丸を放つことで一発一発の威力をとんでもなく引き上げているのかもしれない。
んなモン船主室でブッ放すんじゃねぇよ!とか思うが、さすがにそれは人に言えたことではない。
見たところ威力こそ大きいが、マシンガンのような息も付かない連射はできないらしい。さすがにそこまで来られたら打つ手なしかもしれない。
―――これなら!
バン!ドン!とテーブルの影から飛び出し、少年は壁と窓を一瞬で往復する。サバイバルナイフの切っ先が、偉丈夫の首筋にまっすぐ狙いを定めた。
景色が――――
「しゃッ……ッ!!」
寸断する。
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