暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
近付く者達
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に一撃死できるほど生易しいレベルには設定されていない。首筋にダメージエフェクトをくっつけたまま、いよいよ銃口がこちらを向く。
その中の一人に、頸部から頂点までの強烈なアッパーをナイフ付きでお届けして死亡していただき、目と鼻の先でマズルフラッシュに輝く寸前のライフルのあぎとから無理矢理に意識を逸らす。
同時に、両足を自ら思いっきり滑らせてガクンと視線を落とした。辛うじて弾幕の有効範囲外に逃れ、目の前にあった複数の足の腱を一気に横に薙ぐ。
口元を覆うマスクのせいか、くぐもった絶叫が迸る。
だがレンとしても、ここからが正念場だ。何せ今の体勢は故意とはいえ
転倒
(
タンブル
)
した時と変わらないのだ。ここから瞬時に復活するのは、さすがに速度だけでは打破できない。
腕のリーチはアバターの関係で、一度に一閃できる人数には限りがある。第十階層のエレベーターホールには全部で十人もの黒尽くめが待ち構えていたので、現在死亡1に戦闘続行不可能3。なので残りは7人。
突破できるにはできる人数なのだが、何せ体勢が体勢だ。取れる選択肢は限りなく少ない。
―――ッく!《地走り》を………いや、やっぱり体勢が……!!
ダダタタタタタタッッッ!!!
「きゃああああああああッッ!!?」
女の子みたいな悲鳴が、女の子みたいなアバターの口から漏れる。
転倒した体勢から無理に起き上がらずに、そのままゴロゴロ手足をぴったり身体につけて真横に転がった。チュン!ダヂュン!という冷たい床を弾丸が穿つ音が耳朶に反響し、脳裏を抉る。
咄嗟にやってしまったが、この回避行動では合格点は与えられない。確かに突発的には避けられはするが、動きが直線的で空間把握が容易ではない。これではただの動き回る的である。
数秒後、恐れていたことになる。回転していた身体が、鈍い音とともに通路の壁にぶつかり、移動が完全に停止した。軌跡のように回転していた後を追跡していた弾幕が、たちまち追いついてくる。
最初の弾丸がアバターの身体を穿とうとした時――――
ドッダタタタタ!!
一直線に薙いだ鉛弾が、射手達の顔面を真横に横切った。それは赤外線機能も付いている軍用ゴーグルを跡形もなく粉砕し、その向こうにある眼窩を抉った。
黒尽くめの身体が電流を浴びたように二、三度痙攣して、鈍い音とともに崩れ落ちる。その身体の上に音もなく発現したのは、真っ赤なDEADタグ。
「……助かったよ、ユウキねーちゃん」
ふっふーん、と得意げな声が返ってくる。
弾痕だらけのエレベーター。レンは下に逃げたが、その真反対。ドアの上部と天井との間に生まれた僅かな隙間に、一瞬のうちに潜り込んだ少女は、未だに白煙を燻らせる
機関銃
(
マシンガン
)
の銃口を下ろす。
ニッ、と
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