暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦四日目(1)×新人戦と名無しの力始動
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ード・シューティングの得点有効エリアは、空中に設定された一辺十五メートルの立方体です。織斑君の起動式は、この内部に一辺五メートルの立方体を設定して、その各頂点と中心の九つのポイントが震源になるように記述されています」

解説役は一真から調整プランを見せられている鈴音である。

「各ポイントは番号で管理されていて、展開された起動式に変数としてその番号を入力すると、震源ポイントから球状ぬ仮想波動が広がります。波動の到達距離は六メートル。つまり一度の魔法で発動で、震源を中心とする半径六メートルの球状破砕空間が形成される事になります」

「・・・・余計な力を使っているような気もするが・・・・北山は座標設定が苦手なのか?」

「確かに精度より威力が北山さんの持ち味ですが・・・・」

摩利の問いに答える鈴音の顔は、彼女のデフォルトとも言うべきクールポーカーフェイスのままとなっている。目だけは同情交りの苦笑の影が見えた。

「この魔法の狙いは精度を補う事ではなく、精度を犠牲にする代わりに速度を上げる事にあります」

「・・・・つまり、その気になればもっとピンポイントな照準も可能という事よね?どういう事かしら」

「この魔法特徴は、座標が番号で管理されているという点です」

視線を正面に試技中の一年生に戻して、真由美の質問に答える形で、鈴音は説明を始めた。すらすらと繰り出される答えは、彼女も以前に同じ質問をして既に回答を得ていたからだ。

「スピード・シューティングは、選手の立つ位置と得点有効エリアの距離、方向、エリアの広さが常に同じです。それはつまり、この魔法で設定する必要がある震源ポイント、その位置決めする仮想的な立方体と選手の距離、視覚角も常に一定という事です。故に、座標を変数として入力する必要なく、起動式に選択肢の形で組み込んでおいて発動時にはその番号を指定するだけで魔法を発動させる事が出来ます。この程度の粗い狙いであれば、デバイスの照準システムでその時に最適なポイントを自動的に選び出す事も可能です。そしてこの魔法は、威力も持続時間も、変える必要がありません。実際にそれらは、起動式で定数として処理されます。選手は、デバイスの補助に従ってポイントを設定するだけで、ほとんど変数入力を意識する事なく、事実上ただ引き金を引くだけで標的破壊する事が出来るのです」

試技は終盤に差し掛かっていた。撃ち漏らしは一つもない。

「制御面で神経を使う必要がありませんから、魔法を発動する事だけに、演算領域のポテンシャルをフル活用する事が出来ます。連続発動もマルチキャストも思いのままです。魔法の固有名所は『能動空中機雷(アクティブ・エアー・マイン)』で織斑君のオリジナルだそうですよ。まあ、色々な要素が詰まっている分だけ大きな起動式になります
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