九校戦編〈下〉
九校戦四日目(1)×新人戦と名無しの力始動
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真由美と摩利が顔を合わせて、笑っていた。一方本人は風の精霊でバッチリ聞いていたので、まあファンを増やすというより勝手に増えただけだと思いたい。一年男子には敵に回しているが、一年女子は味方になってくれているので一年男子が文句を言おうとしても味方が壁となってくれるという感じになった。懇親会後に人工温泉を許可したのも俺だと言う事は既に上級生も次の日になってから知った事だ。雫が構えをしていた時に、何も細工されてないのを確認した後見ていたゼロであった。
「あっちは始まったようだな、雫は調子いいみたいだ」
「最初のハンデを聞いた時は、正直甘いのではと思いましたがしょうがないと思われます」
「一キロ先から狙い撃てという指示を出された時はホントにそれでいいのか?と俺も思った」
「最初は腕試しで本番は、男子決勝でしょうね」
と本体=名無しと蒼太に大会委員のはずが烈が来ていた、俺はあっちにいなくてもいいのかと聞いたがこっちの方が面白そうだと言った。それに大会委員の中には蒼い翼の者もいるから問題無し。とあちらも始まるから、小型ディスプレイで試合を見ていた。ランプが全て点った瞬間に有効範囲エリアにあったクレーが粉々にされていた。クレーは中央に砕いたり両端二つ同時に粉砕されたので、大勢の観客から嘆声が漏れたのだった。観客席でジッと瞳を凝らしている深雪達も、順調な滑り出しに対する安堵感も込みで詰めていた息を吐き出した。雫の視線にブレはなく正面を向いて標的を見ていないようにも見える。
「うわっ、豪快」
エリカがシンプルな感嘆を漏らす反対側では。
「・・・・もしかして有効エリア全域を魔法の作用領域に設定しているんですか?」
美月が自信無さそうに深雪とほのかへ訊ねた。
「そうですよ。雫は領域内に存在する固形物に振動波を与える魔法で標的を砕いているんです。内部に粗密波を発生させる事で、固形物は部分的な膨張と収縮を繰り返して風化しますから。急加熱と急冷却を繰り返すと硬い岩でも脆くなって崩れてしまうのと同じ理屈ですね」
「より正確には、得点有効エリア内にいくつか震源を設定して、固形物に振動波を与える仮想的な波動を発生させているのよ。魔法で直接に標的そのものを振動させるのではなく、標的に振動数を与える事象改変の領域を作り出しているの。震源から球形に広がった波動に標的が触れると、仮想的な振動波が標的内部で現実の振動波になって標的を破壊させるという仕組みよ」
ほのかと深雪が目をシューティングレンジに固定したまま、二人掛かりで行った丁寧な解説に、美月はしきりと頷くばかりだった。
「・・・・という仕組みですね」
偶然か必然かは知らんが、同じ会話が同じタイミングで三年生トリオの間でも交わされていた。
「御存じの通りスピ
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