空白期 第14話 「王さまとの出会い」
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数分も経っておらぬのだぞ!」
「きっと運命の出会いってやつや。ちなみに王さまは何月生まれなん?」
「こんな出会いが運命なわけあるか! というか、なぜ今の流れで誕生日を知りたがる!?」
「え、だって一緒に居ったら双子って思われそうやし、どっちがお姉さんか決めとくべきかなって」
「決めんでいい!」
ここまでふざけるはやてちゃんは初めて見る気がする。それに律儀にツッコむディアーチェちゃんに同情のような気持ちを抱くが、同じ顔の人間が漫才をしているようにしか見えないので笑いが込み上げてくる。声を漏らすと怒りの矛先がこちらに向きそうなので必死に我慢するけど。
「えぇ〜、わたしとしてはお姉さんがほしいんやけど」
「駄々をこねるな、甘えるような声を出すな。気色悪い!」
「ガーン!? ……ショウくんにかて気色悪いとか言われたことないのに」
「え、いや、すまぬ。さすがに言い過ぎた。別に嫌いになったというわけでは……!」
「……じゃあ姉やんになってくれる?」
「なぜそうなるのだ!?」
う……やばい。これ以上続けられたらさすがに声が漏れちゃう。というか、意識を向けられただけで笑いを堪えてるのがバレちゃうよ……フェイトちゃんは。
視線をはやてちゃん達から移してみると、微妙に顔がにやけている姿が見えた。ただ笑ってる場合じゃないと思ったようで、頭を振って脳内をリセットさせると止めようとする素振りを見せる。
しかし、フェイトちゃんが制止をかけようとするとボケとツッコミが響く。彼女はそれに臆してしまい、結果的に言えばどうしたらいいか分からずオロオロし始めてしまった。
このままでは……、と思った矢先、はやてちゃんの元に誰かがため息を吐きながら近づいていく。その人物は彼女の前で立ち止まると、軽くチョップを落とした。
「あぅ……痛いやないか」
「大して痛くないだろ。それにふざけすぎるお前が悪い」
「ふざけてなんかない。仲良くなろうとしとるだけや」
「あれのどこが仲良くしようとしておるのだ……ショウ、こやつは何なのだ?」
「……ディアーチェに分かりやすいように言えば、感情豊かなシュテルだ」
「……貴様も大変な者と知り合ったものだな」
ショウくんとディアーチェちゃんは、互いに同情し慰めるような顔を浮かべる。ふたりから発せられる雰囲気は、何というか互いを理解しているかのような独特なものがある。ショウくんとはやてちゃんが出すような親しげなようなものとは少し違うように思えるけど。
「何かええ雰囲気やな。もしかして……ふたりは付き合ってるん?」
何で落ち着きかけたのにそういうこと言っちゃうの!?
確かにふたりは親しそうに見えるけど、そこまでの関係には見えない。しかし、ディアーチェちゃんは言動に反して純情なのか顔を赤く
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