第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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ぎますから。
……と考えるべき、なのでしょう。
しかし、その部分に関して実は既に答えが為されて居たと言う事。それは、あんたの事は最期まで信用する、と言った部分。これはその言葉通りの意味だったと言う事。
さつきの放った殺気。それは正に俺を殺す事が出来るレベルの物。しかし、ハルヒはその攻撃を俺が捌く事を信じて躱そうとも、恐怖により身体を強張らせる事さえしなかったと言う事。
更にその後、前日に俺が言った、深淵を覗く者は、の言葉を守り、見えないはずの戦闘に気付き掛けた朝比奈さんの思考を、自らが転んだ理由の追及に向けさせるのではなく、別の方向へと向けさせようとしてくれた。
故に、あの意味不明の『ドジっ娘メイド技能』なる珍妙な台詞が生まれたと言う事。
表面上に現われている強気で、我が道を行く的な少女の裏側に、心の優しい他人を思いやる普通の少女が隠れている。そう言う事なのでしょう。
短い間にそう結論付ける俺。それに人間は複雑で、その上に気まぐれ。根っ子の部分ではそう言う人間だったとしても、ある特定の人物の前ではそう言う素直な自分を出せない場合も有りますし、更に、素の自分を弱い人間だと決めつけ、出来るだけそう言う面を人前で出さないようにする人間も存在します。
ただ……。
「悪いなハルヒ。信には信で応えるのが俺のポリシーなんやけど――」
オマエさんの知りたい事は、俺が教えて良い領分を越えて居る。
最後の部分はかなり小さな声でそう口にする俺。いや、どちらかと言うとタイムパラドックスや平行世界化などが絡む事件で、その事件の中心につい最近まで存在していたハルヒに教えるとマズイ内容が確実に存在して居るはず。
何故ならば、其処から先の未来に悪影響……。例えば、もう一度、歴史の改竄が行われる可能性が出て来たりするはずですから。
確かに、今の彼女からは、危険な兆候を感じる事はないのですが……。
しかし、
「何時の日にか、これまでに起きた全ての事を話せる。そう言う日が来る。せやから、その日まで待って居て欲しい」
彼女が求めて居る答えを知るには、彼女、涼宮ハルヒが人類の未来に悪い影響を与えないと言う確証が得られない限り難しい。
流石にそんな事を俺には確約出来ない。しかし、それでも尚、この世界に絶対に不可能だと言う言葉もないはず。
俺の言葉に、一瞬、不満げな雰囲気と表情……少し口を尖らせた表情を浮かべたハルヒ。
しかし……。
「まぁ、良いわ。それに、そもそも信用するって言ったのはあたしの方だから仕方がないのだし」
しかし、それも一瞬。特に不満げな様子もなく、割とさっぱりとした口調でそう答えるハルヒ。この様子から想像すると、おそらく彼女は、彼女が一瞬だけ浮かべた表情
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