第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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退魔業に従事している人間。
そんな土御門だの、賀茂だの、安倍だのと言う古い魔法に繋がりの深かった家系に直接繋がりがない人間でも簡単に優秀な術者となる実例がある以上……。
更に、ハルヒの場合、最早異世界の出来事と成って仕舞った世界では千の仔を孕みし森の黒山羊の因子を植え付けられたり、その流れからこの世界でも多くの能力者と深く関わったりしています。
まして、有希や綾乃さん。それに万結とさつきなどの能力者が傍に居た場合、その近くに居る人間にも影響が出る事はタバサの例からも確実ですから。
こう考えると――
ハルヒ自身が僅かに異能に目覚めつつ有ったとしても不思議ではない。
シュブ=ニグラスのようなとんでもないレベルの制御不能な能力などではなく、至極一般的な術者レベルの異能に……。
そう考えを纏める俺。但し、もしそうだとすると、この部室内で行ったさつきと俺の戦いは、かなりウカツな行為だった可能性も。
何故ならば、ハルヒに多少なりとも他の能力者が近くに存在している影響が出て居る可能性が有る。朝比奈さんも先ほどの戦いに気付いた雰囲気。弓月さんは覚醒に至る条件の内の幾つかをクリアしている。
そして、朝倉さんに至っては、常人だと本人が思い込んでいるだけの状態。
この場に居る全員が先ほどの戦いに気付いて居る可能性が有る、と言う事ですから。
ただ……。
ただ、もし、先ほどの戦いにハルヒが気付いて居たと考えるのなら、ひとつだけ解せない部分が――
そう考え掛けて、しかし、上目使いに俺を見つめる彼女の瞳を見つめた瞬間、その疑問の部分に関しても既に彼女の口から答えが為されている事に気付く俺。
それは、先ほどの戦いではハルヒの周囲でも見えない刃が交わされていた、と言う事。
同じような状態に置かれていた朝比奈さんは、その見えないはずの攻撃に驚き、そしてその攻撃を躱そうとしてバランスを崩し、結果、俺の腕の中に納められる事と成った。
しかし、ハルヒはその戦いに気付きながらも平然と……。眉ひとつ動かす事なく無反応を続けた。
これは普通に考えると不審。未知の出来事。それでも、おそらく自分に危害が加えられる可能性が高い現象が起きて居る事だけは理解出来たはず。それぐらいの殺気は籠めて居ましたから。
気付かなければ何も害はない。しかし、其処で起きて居る事態に気付いて仕舞うと、身体中の産毛が逆立つような感覚――恐怖を感じるはず。
一般的な反応は朝比奈さんのように未知の攻撃から逃れようとするはず、なのですが……。
しかし、ハルヒは豪胆にも、そんな異常な状況の真っただ中で無反応を貫いた。
これは流石に不審。何故、そのような事を彼女が為さなければならないのか、その理由が不明過
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