第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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居る人間の内、朝比奈さんは二年生。朝倉さん、有希、それに万結は人工生命体。少なくとも、誰かに勉強を教わらなければならないとは思えない。
さつきもそんな物を必要とはしていないでしょう。弓月さんは、運動に関してはどうか判りませんが、見た目の雰囲気から考えると勉強に関しては問題ないと思います。
そんな中に、少々胡散臭い関西弁標準仕様の、如何にも頼りなさげなヤツが現われたのですから……。
女の子が基本的に持って居る母性本能……と言うか、お姉さんぶってみたい、と言う感情が湧いて来たのかも知れません。
どうやら、ハルヒが俺に抱いて居る感情は良く言っても弟扱い。おそらく不出来な弟分に対する姐さんと言う程度の感情なのだろうと、考えを纏める俺。
まぁ、小説や漫画、アニメの主人公ではないのですから、この辺りが妥当ですか。理由もなくモテモテ状態に成るほど世の中は甘く出来ていない、と言う事なのでしょう。
「それに、あたしから言わせて貰えるのなら、あんたの方こそ、あたしの事をもっと信用して貰いたいのだけど」
嫌われたり、無視されたりするよりは余程マシな扱いだったと喜ぶべき状態じゃないか、と考えていた俺。そんな、答えを返そうともしない俺に対して、
「あたしだけじゃなくて、みくるちゃんも護ってくれたみたいだけど……」
更に言葉を重ねて来る彼女。……って、この内容は!
俺は、改めて自らの正面に視線を向ける。其処には俺から視線を外し、在らぬ方向。この文芸部の部室に無理矢理連れて来られた最初の理由。俺の学力の程度を確認する役割は既に終わり、八十五点の点数を付けられた現社の答案用紙が、所在無げに存在するだけの机の上を見つめる少女の姿があった。
「知って居る事なら知らない振りもして上げられるけど……」
知らない事に関しては、それ以上、何もして上げられないのだから。
非常に聞き取り難い小さな声でそう呟くハルヒ。いや、おそらくこの言葉は俺に聞かせる為に発した言葉などではない。
しかし――
こいつ……、さっきの俺とさつきの戦いに気付いて居たのか?
確かに、先ほどの戦いは常人には感知出来ない戦いだった。しかし、逆に言うと常人ではない、ある程度の能力……俺のような見鬼の才を持った人間にならば、確認する事が出来る戦いでも有ったと言う事。
そして、この世界と言うのは過去から異世界より介入される事が多かった世界で有るが故に、現在、一般的な家庭の出身だったとしても過去は違う可能性が高いと言う世界。
例えば、朝倉さんの従姉だと言う設定に成って居る天野瑞希さんなどは正にその典型。両親やその家系の何処が術者に繋がって居るのか判らないのですが、しかし、現在では俺と同じ式神使いとして
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