第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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を入れ易いシチュエーションを作っただけ、なのですから。
それに、そもそもハルヒが話し掛けて居たのは朝比奈さんの方で有って、俺は関係なかったような気もするのですが……。
そんな、非常に真面な疑問が頭の片隅に浮かぶ俺。但し、朝比奈さんに彼女の話を聞かせなかった自分の行為を地平線の彼方に放り出した、俺的には至極真っ当な正論など涼宮ハルヒと言う名前の少女が考えてくれる訳などなく。
次の瞬間、無理矢理右側に向かされる俺。其処には身体の右半分を折り畳み式の長テーブルの上に乗せたハルヒが、マゼンタのネクタイを引っ張りながら少し怒った顔で俺を睨み付けている。
但し、口調や行動ほど不機嫌と言う雰囲気ではない、みたいなのですが。
飽くまでも俺が彼女から感じて居る雰囲気が……。
「心配せんでも、ちゃんと聞いとるがな」
出来るだけ面倒臭げな雰囲気に聞こえるような表情及び口調でそう答える俺。
握られたネクタイに更なる力が籠められ、引き寄せられる俺。彼女との距離は三十センチメートル。
「コーナーポストの最上段からハルヒがフライングボディプレスを決める、と言う話なんやろう。ちゃんと聞いとるから心配すんなって」
あれは目の位置で言うのなら三メートル以上の高さに成るはずやから、間違いなしに足が竦むと思うけどな。
感覚としては、もう殆んど頬と鼻が擦り合うんじゃないか、と思われるほどの距離にまで接近した彼女に対して、そう答える俺。
「やっぱり何も聞いていないじゃないの」
本当に何処をどう聞き間違えたら、其処まで話を変えられるって言うのよ。胸の下にあんたを下敷きにするのはみくるちゃんであって、あたしじゃないって言うの。
呆れたような口調。しかし、彼女は怒ってはいない。
「そうか? まぁ、大して変わらへんと思うけどな」
少し緩んだ引き寄せられる力。その隙に体勢を整え、右目のみに映していた彼女を正面に捉え、右の耳で聞いて居た声を、ちゃんと両方の耳から聞こえるように持って行く。
ただ、その瞬間に見えた彼女の瞳に映り込んだ俺の顔に、思わず笑い出しそうになったのですが。
これから口にする台詞に関して……。
「そもそも、女の子一人を支え切れなくて男の子はやってられないでしょうが」
妙に真面目腐った顔。言葉は曖昧でどのような意味にも取る事が出来る内容。
もっとも、これは真実。そもそも、最近ではほぼ呼吸を行うように自然な形で生来の能力――重力を自在に操る能力が発動可能で有り、反応速度も常人を凌駕する物を持って居る以上、余程不意を突かない限り、少女が転んだぐらいで俺を巻き込んで胸の下で窒息状態に成る事や、下着が丸見えの状態に成るラッキーイベントが発生する訳はありま
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