暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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の雰囲気を発しながら。
 ただ、これまでの話の流れ、及び俺の経験則から言わせて貰うのならば、次の話は真面目に聞く必要のない代物。本当にしょうもない内容を言葉にする可能性が高いと思うのですが……。

「次のチャンスには、こいつのズボンにお茶をこぼして、乾かしてあげますとか、染みになるといけませんからとか言って、無理矢理脱がそうとするとか、逆に前に向いてこいつ諸共転んで、その胸の下敷きにする、とかしたら完璧よ」

 彼女自身が何を考えているのか判りませんが、妙なハイテンションで最後に親指を立てて魅せながらそう言うハルヒ。但し、顔は笑って居るけど、気分的にはあまり上機嫌とは言い難い様子。
 ただ、そうかと言って、不機嫌だとは言えない微妙な雰囲気。何か蟠りが有るのか、それとも、気に入らない事が有るのに、それに付いては何も言えないような状況なのか。

 どうにも情報不足で、現在のハルヒの状態を掴みかねている俺。
 しかし……。

「大丈夫ですか、朝比奈さん」

 何時までも朝比奈さんを胸に抱いたままで居る訳には行かないので、完全に俺が彼女の体重を支えていた状態から、ちゃんと彼女の両足で真っ直ぐ立てるようにしてやる。
 ただ、ワザとこのタイミングを選んで彼女を解放する辺りが、俺の俺たる所以なのでしょうが。

 一瞬の空白。それまでずっと場を支配し続けたハルヒが黙り、我関せずの姿勢で本を読み続けている有希がページを捲る手を止める。外を見つめ続けるだけであったさつきは、何時の間にか俺の隣から彼女の側に移動していた万結と睨み合う。
 朝比奈さんは呆れ、弓月さんはあまりの急展開に何も言えない状態。

 そして……。

 てっきり、ハルヒの話をちゃんと聞いてから自らは解放されるのだろう、と思い込んでいた朝比奈さんが少しきょとんとした瞳で一度瞬きを行い、その後、何か珍しい生き物を見る瞳で俺の顔を少し上目使いに見つめて居た。
 うむ、この感じなら、ハルヒの垂れ流している戯言(毒電波)は右の耳から入って、左の耳へと抜けているでしょうね。

 もっとも、それぐらい涼宮ハルヒの言葉を無視して行動を起こす人間が珍しいと言う事なのかも知れませんが。

「ありがとうございます、武神さん」

 美少女に相応しい微笑みと共に、少し小首を傾げながらそう伝えて来る朝比奈さん。一瞬、この少女にならば抱き着かれても良いかな、などと言う善からぬ考えが頭の隅を過ぎって行った。
 その瞬間。

「あんた、あたしの話を最後まで聞く気はないの?」

 何故か右横から引っ張られる俺のネクタイ。いや、ネクタイが引っ張られる事は初めから想定済み。何故ならば、彼女の方がツッコミ待ちのような言葉を投げ掛けて来たから、素直にスルーして、今度は彼女の方からツッコミ
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