第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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に物分りが良かったり、そうかと思うと上機嫌を装ってみたり。これでは無表情な有希やタバサの方が考えて居る事が判り易いような気もしますが……。
「ふぇ、な、何ですか、涼宮さん?」
話の中心に居ながら、気分的には完全に部外者と成った気分だったのか、かなり驚いたように俺の腕の中からそう答える朝比奈さん。
……と言うか、現状ではこのメイド姿の先輩を解放する暇がないのですが。この体勢。右腕を彼女の膝の下に回せば、所謂、お姫様抱っこと言う状態に成るぐらい、彼女と俺は密着して居たのですが。
何となくタイミングを逸し、しかし、そうかと言って話の腰を折ると、今は上機嫌を装って話しを続けているハルヒが妙な方向に爆発する可能性が有るだけに、ウカツな動きを行う訳にも行かず……。
そんな俺の内心の葛藤など知ろうともしない、ある意味、我が道を行くハルヒが言葉を吐き出し始めた。
「流石はあたしが見込んだだけの事はあるわね。あたしのSOS団に男子が団員として加わった途端の、そのドジっ娘メイドっぷりは賞賛に値すると思うわ」
そもそも、本当にドジっ娘メイドが実在するのかどうかなんて、このあたしですら疑っていたぐらいだから。
――もう答えを返す気力さえ失くすような言葉……ある意味、非常に彼女らしい内容を。もっとも、それならば、そもそもあんたは朝比奈さんの何処をどう見込んで、SOS団とか言う訳の判らない集団に引き込んだのか判らないでしょうが、……と言うツッコミ待ちのような内容なのですが。
ただ……。
ただその瞬間に、俺の頭に思い浮かぶあるひとつの仮説。例えば何か野生の勘……いや、ハルヒ独特の不思議センサーのような物が働き、廊下を歩いている見た目普通の女生徒を拉致して来た。そんな馬鹿な可能性に思い至ったのですが……。
しかし、流石にそれはないか。……と、軽く頭を振って、その普通では有り得ない想像を、頭に浮かんだ次の瞬間に簡単に否定して仕舞う俺。
それに、確かこの五月――SOS団結成の段階では、世界は未だハルヒと外なる神の接触が有った、……と言う事に成って居た世界。歴史が元の流れに戻るには七月七日の夜を待つ必要があった。つまり、その五月の段階では、朝比奈さんは未だ未来から訪れた異世界のタイムパトロールの関係者だったはず。その彼女の目的は涼宮ハルヒの監視と意識誘導だった事は想像に難くないので……。
ハルヒの不思議感知センサーに反応が有ったとしても不思議ではないのか。
「でもね、みくるちゃん。未だ詰めが甘いわよ」
俺が妙な方向で納得をしている間。そして、おそらく朝比奈さんはハルヒが何を言っているのか理解出来ていない間に、更に言葉を重ねて来るハルヒ。今度は右手の人差し指を立て、訳知り顔。正に、何かをレクチャーする人間特有
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