第6章 流されて異界
第105話 ドジっ娘メイド技能?
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の位置……。先ほどと同じ、俺の正面で赤ペンを持ったまま固まって居る彼女。
ただ、俺の視線に気付いたそのハルヒが、
「何よ?」
少し不機嫌……と言うか普段通り、かなりキツイ視線で俺をねめ付けて来た。ただ、今現在、彼女が発して居るのは不機嫌と言うよりは不審と言う雰囲気。おそらくこの瞬間、俺が彼女に視線を向ける意味が判らなかったのでしょう。
成るほど、少し考え過ぎだったと言う事ですか。そう考え、心の中でのみ口角に浮かべる、少々性格の悪い類の笑みを浮かべる。
しかし、それならば――
「なぁ、ハルヒ。こう言うタイミングのツンデレ娘の正しいツッコミは、
あんた、何時までみくるちゃんを抱いているのよ!
……とか、
ちょっとふたりとも、何時まで見つめ合って居るのよ!
……とかではないのか?」
未だ左腕の内に朝比奈さんを納めながら、かなり不思議そうに問い掛ける俺。但し、これは必要ないボケのような物。そもそも、最初に朝比奈さんを抱き寄せた瞬間に、そう言うツッコミが入らなかった段階で、彼女はそう言う小説やアニメなどで飽きるほど登場させられたツンデレ娘などでない事は確かですから。
しかし、
「あんた、あたしに何を求めて居るのよ」
さっきの早業に一瞬だけ感心したあたしがバカみたいじゃないの。最後の方は俺から、少し朝比奈さんの方向へと視線を外しながらハルヒはそう答える。
成るほど。矢張り、彼女が俺に向けて居る感情は恋心と言うのとは少し違う感情なのでしょう。
それに、俺は人外……人類とは少し違う種族の方々には色々な意味で大人気ですが、人類に関してはそのかなり特殊なフェロモンは通用しないみたいですから、人類には人間としての魅力で勝負するしかないので……。
これはこれで仕方がないですかね。
……などと少しずれた感想を思い浮かべる俺。
そんな俺に対して、
「それにそもそもさっきのは、何もない所で突然バランスを崩したみくるちゃんのドジっ娘メイド技能が発揮されただけだから、あんたを責めても仕方がないじゃないの」
……何と言うか、非常に物分りの良い言葉を続けるハルヒ。但し、朝比奈さんが身体のバランスを崩したのは見えない刃に驚いたからなので、別にドジっ娘メイド技能が発動した訳ではないのですが。
ただ、そもそもそのドジっ娘メイド技能と言う技能が謎過ぎて、どのような効果を期待出来る能力なのか判らないのがアレなのですが。
「それに、みくるちゃん」
再び俺の腕の中のメイド姿の上級生に視線を移したハルヒが、今度はかなりの上機嫌でそう話し掛けて来る。
ただ……。ただ、かなり判り難いけど、どうにも現在の彼女は表面上に現われているほどには上機嫌と言う訳ではなさそうな雰囲気。妙
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