九校戦編〈上〉
九校戦三日目(1)×事故前後と治療後の面会
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を知ったのだった。
「ここは病院か・・・・」
「ええ、裾野基地の病院よ。良かった・・・・意識に異常は無いようね」
「あたしはどのくらい気を失っていたんだ?」
後頭部から伝わってくる鈍痛が、自分は眠っていたのではなく受け身を取れなくて気絶したのだと摩利に教えた。
「お昼を回ったところよ。あっ、まだ起きちゃダメ。主治医の先生が今日一日は寝たらある程度は回復すると言ってたから」
ベッドの上に身体を起こそうとした摩利を、真由美は素早く先回りしてベッドに押し戻す。強い力ではなく軽くだったが、主治医からの指示と摩利の方ではいつもより身体の自由が利かなかったからだ。
「肋骨が折れていたそうだけど、主治医の力で肋骨骨折からヒビまで回復させたようよ。本来なら魔法で繋いでいて、定着してないという事も魔法による治療は応急処置だと言う事を」
「定着するまでは仮に治っているだけで、決して瞬時に健康状態を取り戻すものじゃないくらい理解しているが今何て言った?骨折からヒビまで回復だと?」
「ええ、ホントなら定着のはずがヒビまで回復したのよ。もちろん肋骨以外にも軽傷部分もあったから、主治医からは全治一週間。一日寝ていれば日常動作に支障はないけど、念のため十日間は激しい運動は控えるようにと言ってたから禁止」
「おい、それじゃあ!?」
「ミラージ・バットも棄権ね。仕方ないわ」
「そうか・・・・」
摩利はため息をついて目を閉じた、摩利が気絶している間どうなったかを真由美に聞くと七高は危険走行で失格し決勝は三高と九高となった。三位決定戦は一高と二高で小早川が随分と気合を入れていたと言う。七高の選手を庇ったお陰で軽傷だった。男子は服部が決勝進出で男子ピラーズ・ブレイクは十文字が決勝リーグ進出となり、女子の方も千代田が決勝リーグ進出で、摩利だけが計算違いだったようだ。
「仕方がないわ。摩利、貴女の判断は間違っていなかったの。あそこで貴女が加速を止めなければ、間一髪で衝突は回避できたでしょう。決勝にも進めたと思う。でも七高の選手は大怪我をして、多分、魔法師生命を絶たれていたと思うわ。それほど危険な突っ込み方だった。これは主治医である一真君も同意見ね」
「・・・・おい、そこで何故アイツの名前が出てくるんだ?主治医はここの病院のなのだろう」
「事故が起こった後に貴女をタンカーで運んで、治療をしたのが彼だから」
「なに?」
「もちろん、一真君一人に任せた訳じゃないけど。驚いた?」
にんまりと笑った真由美から、苦虫を噛み潰した表情で摩利は顔を背けた。自分がホッとしている事を自覚できるだけに、真由美の笑顔が忌々しかった。
「さすがに女の子の着替えまでは女性スタッフで着替えさせたけど、そこからは一
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