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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十四話 二人目の“鍵”
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うしてどちらでもないアナタが、マクスウェルを名乗るの?」

 ぞわっと、した。
 この子は知ってる。わたしが〈異分子〉だって知ってる!

「ジュードは?」
「え…あの、何でジュードの事…」
「アナタもジュードと『知り合い』なのね。ジュードを表舞台から弾いたのはアナタかしら」
「あ…っ」
「アナタ、だれ?」

 コワイ、コワイコワイ。どうしてわたしとパパしか知らないはずのことを知ってるの? この子はダレ?

「答えられないの? それとも答えてくれないの?」

 彼女は槍を下ろしたまま、一見無防備に、本当は殺気さえ滲ませて、フェイのほうへ歩いてくる。

 どうしよう。どうしよう。だってわたしは、本当は何も持ってない小娘で、たまたまミラさまの代わりができるポジションだったからそうしただけで。そんなの。自分が誰かなんて、わたしには。

「…っこないで!」

 水をたくさん出して。押し流して、あの子をわたしの前に来させないで。
 なのに、あの子は波をキレイに避けてわたしの正面に着地した。

「あ、あ…」
「答えないなら、体に聞くわ」

 槍が、突きつけられて――





/Victor

 コントロールシステムの破壊は長引いた。十中八九、私とアルヴィンが協力できなかったせいだ。マナを供給するポーズだけは取ったが、私たちエレンピオス人には霊力野(ゲート)がない。常識だった体の構造を歯がゆく感じたのは初めてだ。

 エリーゼの増霊極(ブースター)、つまりティポが途中で再起動したおかげで、呪環とドアをロックした装置はどうにか壊せた。

 頼むから私たちが行く前に死んでくれるなよ、フェイリオ――!



 走って、天井の高い回廊に出た。後ろからイバルやローエンたちも続いて出て来た。

「……フェイ、リオ?」

 回廊の奥。薄紅のドレスと白い髪を散らばらせて倒れている一人の娘。

「――っフェイ!!」

 駆け寄って、倒れたフェイリオの体を抱え起こす。なんだ、何なんだ、フェイのこの体中の痣と切り傷は!

 駆けつけた全員がフェイリオの惨状を見て目を剥いた。

「イバルさん、早く回復を!」
「とっくにやってる!」

 フェイリオの体にかざしたイバルの両手から治癒の発光。だがエリーゼに比べれば弱すぎる。ニ・アケリアでエリーゼを置いて来たのは失策だった――!

「……内臓にダメージはないが、打撲や骨折がヒドイ。人体の表面だけを的確に傷つけている」
「殺すんじゃなく嬲る、あるいは意思を挫くのが目的の、尋問向きのやり口だな」

 言って、アルヴィンは思案する色を浮かべた。心当たりがあるのかを問い質したいが、今はそんなものに割く猶予はない。

「ローエン。
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