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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十三話/SIDE-V 黒騎士
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中……あった。鍵束。それを使って、イバルとドロッセルの手枷を後ろから外してやった。
歩き出した私を、イバルとドロッセルが一拍置いて追いかけてきて、並んだ。
横に来た二人の内、イバルのほうを顧みた。
「しかし少々意外だった。君がミラ以外の女性を守るような行動に出るとはね」
「ミラ様なら、目の前で暴力を揮われる女を見捨てるような真似はなさらない。だから巫子である俺もそうしただけだ」
「ミラが……ね」
私見だが、私が知る〈ミラ〉ならばともかく、〈ここ〉のミラはそれほど人の情を持っていない。
ミラは本来旅で得るはずだった知恵や機微をカケラも身に付けていない。私とフェイリオがそのポジションを奪ってしまったから。それが後にどう響くか……
いや、大局的な思案は後回しだ。今はこの城塞をどう脱出するかだ。
「俺も貴様に問いたいことがある」
「何だね」
「先ほど、呪帯の前に出ても平然としていたのは何故だ? 突き飛ばされれば大爆発だぞ。死ぬのが怖くなかったのか?」
ああ。そんなことか。構わないんだよ。私もフェイリオも一度は死んだ身だからね。
「怖いさ。命あっての物種だからな。だがな、イバル。人はいずれ死ぬんだ。それがどんな形であれ。私も君もあと百年も経てば死んでいる。人はいずれ死ぬ。大精霊でさえ、力は継げても〈人格〉の死は免れない」
いずれ死ぬなら、次世代に負の遺産を押しつける生き方はしないほうがいい。負債ばかり積み重ねたから、今も私たちの一族は悲劇から脱け出せない
「人も精霊もいずれ死ぬ…ミラ様も俺も、いつかは…」
それっきりイバルは黙り込み、俯いて考え事を続けていたようだった。
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