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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十三話/SIDE-V 黒騎士
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を持ち出しましたね」
「何のことだ」
「その上、どこかに隠したそうじゃありませんか」
「そんな物は知らない」
ジランドは口の端を引きつらせ、兵士に命じた。
兵士が牢を開ける。牢から引っ張り出されたのは私とイバル、隣の牢からドロッセルと、知らない少女が一人。
垂直展開して明滅する魔法陣に向けて、兵士が少女を突き飛ばした。少女が転ぶ。
直後、爆発が起きた。
「ひどい……っ」
ドロッセルが顔を覆って蒼白になっている。
最悪なことに、私とイバル、ドロッセルの足にも同じ足環が着けられている。
「ご覧の通り、その呪環を着けたまま呪帯に入れば、彼女の二の舞です。もう一度聞きますよ。『カギ』をどこへ隠しましたか」
「知らんと言ったら知らん」
あの起動キーは今、エリーゼの手元で、人里離れたニ・アケリアにて守られている。持っていない、というのは嘘ではない。
すると兵士は、私たちの中で最も非力なドロッセルを選び、呪帯に投げ出そうとした。
ドロッセルはどうにか兵士に抵抗している……そろそろ使うべきか……
私が次の手を出しあぐねていると、イバルがドロッセルを掴んだ兵士に空かさずハイキックをお見舞いした。
「幾重にも武装を固めた男が、丸腰の女に手を挙げるか。恥を知れ!」
蹴られた兵士は、我に返るや激昂し、イバルの顔面を殴った。イバルが床に転がる。
「イバルっ!!」
「大、丈夫だ…この程度…俺様には蚊ほども利かんぞ!」
呪帯に転ばなかっただけでも不幸中の幸いだというのに。イバルは血を吐き、再び立ち上がろうとした。
まったく、この馬鹿巫子は……今日に限り、その馬鹿は最高に格好よかったがな!
後ろ手に隠しておいた黄金時計に集中する。〈時計〉から骸殻の力――〈
最強の骸殻能力者
(
ヴィクトル
)
〉としての力を取り出すイメージ。
緋の光が炸裂した。
「きゃあっ」
「な、何だ!?」
肉体が造り変わるまでは一瞬だった。
ザシュ! ドス、ドス!
視界が晴れるや、手に現れた槍を揮った。イバルと、イバルを支えるドロッセルに再び手を伸ばした兵士たちを、緋色の槍で斬り捨てた。
「私の目の前で彼らに手を出した罪は重いぞ」
兵士が床に倒れた。これで最後の一人。
見渡せば生きている人間は私たちと他の囚人だけ。兵士は残らず私が片付けた。死屍累々。見慣れた光景だ。
両手を見下ろす。手だけではない。足も、胴も、頭も、全身が黒と緋の殻で覆われた姿。
これを使うのはどれくらいぶりだろう。いや、実際は最後に使ってから半年程度しか経っていない。それなのにあれから何十年も経った気がする。
”パパっ! ル
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