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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十三話/SIDE-F 風が吹く理由
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元々ウソツキだから、今さらウソ1コなくしても手遅れ」
「うぉい!」
「――ウソ」
フェイは袖から顔を出して、へにゃっと笑った。
「アルが言ってくれた分も、ちゃんと、がんばるから」
病院に着くなり、フェイは馬車から一番に下りた。エスコートもあったもんじゃない。裾をたくしあげて院内に駆け込んだ。今頃院内は大騒ぎだろうな。やれやれ。
「アルヴィンさん、少し待っていただけますか?」
んあ? 何だよ、シャールの若様に執事のじーさん。
「あなたにはどうしても聞いておきたいことがありましたので」
……こっえー。目が笑ってねーぞこの主従。学校で体育館裏に呼び出されたらこんな気分?
「彼らがイル・ファンの研究所に侵入した件、何故僕らにリークしたのですか」
「端的に言えばあれは彼らを売ったも同然です。我々がその気になれば彼らを捕えて軍に突き出すこともできました。傭兵が大義や情に縛られる職業ではないにしても、あなたのそれはあまりに露骨」
「べっつにー。最初に言った通りだぜ。アンタらは中央に反抗してる。俺の雇い主は中央から奪還しないといけねえもんがある。利害は一致すると思ったから話を持ちかけただーけ。それ以上でもそれ以下でもねえよ」
両手を頭の後ろで組んで背を向ける。こういう時は顔色を読ませねえに限る。シャール卿はともかく、じーさんのほうがタダ者じゃない気配ビンビンだからな。
「では単刀直入にお聞きしましょう。アルヴィンさん。あなたは我々の味方ですか? それとも敵ですか?」
敵か味方か。分かりやすくて好きだぜ、その区分。
「味方だよ。ヴィクトルとそう契約したからな。おたくらがヴィクトルに味方するってんなら、おたくらにとって俺は味方だぜ? シャールの領主様と執事サン」
/Fay
病院から帰って来たわたしたちは、ドロッセルさまたちが戻るまでお茶でも、ってクレインさまに誘われてシャール邸の玄関から中に入ろうとしていた。
クレインさまが、ふいに、足を止めた。
「この今の幸せのために、僕も決心しなければならない――」
さあああああ――――…
風が吹き始める。今まで感じた事がないほど涼やかで、静謐。これは、なに?
「やはり、民の命を弄び、独裁に走る王に、これ以上従う事はできない」
「叛乱を起こすのか」
「戦争……するの」
クレインさまはきっぱり肯いた。
「ナハティガルの独裁はア・ジュール侵攻も視野に入れたものと考えられます。そして彼は、民の命を犠牲にしてでも、その野心を満たそうとするでしょう。このままではラ・シュガル、ア・ジュールとも多くの命が無為に奪われる。僕は領主です。僕のなすべきこと、それはこの地に生き
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