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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十三話/SIDE-F 風が吹く理由
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ですね。ではアルヴィンさんにもご同行いただきましょう」
おや。意外とクレインの判断が速かったな。これは――クレイン、それにローエンも、アルヴィンに含み有と見た。二人とも目が笑っていないぞ。
「ドロッセル。イバル。私たちも行こうか」
「とっととすませるぞ」
「そんなつれないこと言わないで。ゆっくり楽しみましょうよ」
「余裕のない男は女に嫌われるぞ」
ドロッセルと結託してイバルを両脇から掴んで引きずって行く。文句がうるさいが無視だ。
/Fay
馬車の中にはわたしとアルとクレインさまで乗った。ローエンは御者をするからお外なの。
「入院している人たちも喜びます。精霊の主の見舞いなんて、これを逃したら次は何千年後か分かりませんからね」
パパの作戦通り、わたしがマクスウェルだってウソは街中に広まってる。これで〈槍〉の中のミラさまがもっと見つけにくくなるといいんだけど。
「そ、そんな大ゲサなことじゃないですっ。ただ…気になったから…マナを奪られた人たち、キズついてないか、不安じゃないかって」
「マクスウェルは人と精霊の守護者――間違いなくフェイリオさんですね」
「すげーだろー、ウチの勝利の女神だぜ。やらねーぞー」
アルが笑ってわたしの頭を引き寄せて、二人の頭をこっつんこ。ちょっと痛かった、かな?
「あんまそーゆーリッパなキモチでじゃないよ。ただ、重なったから。昔のわたしと」
アルもクレインさまも首を傾げた。あは、苦笑する以外に思いつかないや。
「わたしも昔は、あんなカンジで毎日、大精霊にマナ剥ぎ取られてたから」
馬車の中がしん、と静まり返った。
これを告白するのはハズカシイ。だって、不幸自慢みたいでしょ? できれば言いたくないの。口にする内にいつか、自分のキョーグーに酔ってたフェイに戻ったら。そう考えると怖くて。
「だからって、フェイが何かしてあげられるわけじゃないけど、こわかったね、イタかったね、って言ってあげたい。もうダイジョウブ、イタイのは終わったよ、って安心させてあげたい」
ふいに、アルがわたしの頭をぐしゃぐしゃってした。
「雪ん子はオトナだな」
/Alvin
「ウソ。フェイ、コドモだもん。ワガママだし、ヤな事いっぱい考えるし」
「んなことねえって。な、若様」
「ええ。僕もフェイリオさんは立派なレディだと思いますよ」
フェイはでかい袖を両方使って顔を隠した。
雪ん子雪ん子、ほっぺた隠せても耳が真っ赤だからそれ意味ねーぜ。
「……じゃあ、クレインさまが言ってくれた事、ウソにならないように、フェイ、がんばって本当のオトナになる」
「若様だけ〜? 俺は?」
「アルは……
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