混沌且つ混沌
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れない。
瀧馬はまだまだ慣れないのか、やっぱり芳醇な香りつられて本能と幼げな人格が顔を出してしまい、遠慮手加減に手心情け容赦の一切も無く、相手の事情も言葉も無視に無視を重ねて喰らい付いて行くのも、瀧馬の勝利……もといホークギルディの敗北の一端となったのだろう。
ノリで見逃しても流してもくれない相手なので、一挙一動の不備が本気で洒落にならない。
だが、外見も中身もモンスター娘だとはいえ、瀧馬はちゃんと正義の味方側だ。
……例え戦闘員をバリバリと頭から齧り、敵怪人の翼を喰いちぎって手羽先の如く美味しそうに咀嚼したり、相手から抜けて出た魂をも吸い込むが如く属性力を吸引する、抵抗できない相手への必殺技の発射もいとわない存在だとしても……。
「すぅ〜っ……ムグムグ、モグ」
『まーたマジモノの女になってるぜ相棒 気をしっかり持てって言っタロ?』
「……美味しいよ? ラース」
『だからそんな事言ってんじゃねえッテ……つーカヨ、曲がりなりにもこの世界の一般人の味方何だかラヨ、開幕してからすぐに戦闘員巻き込んで “風砲暴” 撃つんじゃあねーっテノ。アレはツインテイルズ基準でいえば一応必殺技の部類なんダゼ?』
「うん、美味しくなるよ?」
『いやだかラナ……』
何とこの吾人、戦闘開始からいきなり必殺技級の一撃を放ったらしい。
大方今すぐにでも喰らいつきたかったのだろうが、そこまで食欲が支配していてはツインテール馬鹿である総二の事をある意味笑えないと思う。
というかラースへの返しも食べる事ばかりだ。……元に戻った時また悶える事にならなければいいが。
『相棒がこの姿になっちまった時はもう別人格みたいだなホント。マア、実際の変身と違って俺の力を前面に押し出してるだけだカラ、どっちかっつーと変態に近イシ、変っちまう可能性もあったガヨ……』
「……美味!」
『俺ぁもうツッコまねーぞ相棒』
最初の瀧馬のほぼ常識人ぶりにラースの狂乱したかのように声高に叫ぶ異質ぶりは何処へやら、この姿となっている時は冗談抜きで真逆の立場になってしまっているようだ。
こうしてアルティメギルの投じた一石はものの見事に打ち砕かれ、瀧馬は二度目となる美味しい食事に舌鼓を打つのであった。
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