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寄生捕喰者とツインテール
混沌且つ混沌
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も言える熱さを持って語り合っていたのだ。……テイルブルーが入っていない理由は、それこそ彼等に聞くしかないが。

 ともかく気の抜けそうなお間抜けなノリを貫いていたアルティメギル御一行だが、そんな彼らでさえ冗談―――か本気かどうかは筋金入りの変態共なので分からないが……それは兎も角、常識人からすればとしては冗談としか受け取れない言葉を、映像開始から今現在の終了後の話し合いに至ってまで、一切合切発していないのだ。


 確認の為にもう一度だけ流された映像の後には、話し声など無く沈黙が広がるのみ。



「この少女は……確かに恐怖を与えてくる」

「ド、ドラグギルディ、様?」



 そんな沈黙を破ったのは……竜の風貌をその身に具える、一番上座へ居座る怪人・ドラグギルディだった。

 ドラグギルディは最初に口を開いてから暫くまた黙り、眼を閉じてから再び……重々しく口を開いた。



「今まで真の意味で喰われる立場に立たなかった我らにとって、餌と喰らいつく彼女は紛れも無く未曾有の存在だ、それは恐ろしくも映ろう……しかし怯えている場合ではない」



 ゴクリト誰かがつばを飲む音が聞こえるが、それを今は咎めずドラグギルディはまた続ける。



「敗北自体が恥でなのではない、背を向け逃げ出す事こそ恥なのだ。ツインテイルズの様に勝てば強大なツインテール属性を搾取できるという旨味は無く、更に未知の属性力を携えている彼女は、此方にとっては相手する意味の無い敵だ。……だがしかし、幾ら此方がシカトを貫こうと、向こうは明日を、未来を生きる為に、己が存在する為に我らを喰らわねばならないが故、そして強大な力を持つが故、そうそう簡単に見逃してくれる筈も無い」



 ゆっくりと立ち上がったドラグギルディは、剣の柄に手をやりホールの全エレメリアンへ向け、気は苦を隠すことなく堂々と云い放つ。



「だからこそ我らは逆に立ち向かわねばならぬ! 嘗て他の世界の人類が我らに牙を剥いたが如く! 捕食者へ獲物が一矢報いるべく噛みつくが如く!! ツインテイルズには矜持を持って相手取り、かの少女には情けを消して葬るのだ!! 我らアルティメギルは……髪の使徒とも等しいのだから!!」

「「「ウオオオォォォオオオッ!!!」」」



 彼の信頼はかなりのモノか……それを窺わせる程に、士気の回復は早かった。いや、もしかすると元々士気は下がっておらず、驚愕していただけなのかもしれないが……けれどもどちらにせよ、今まで以上に気合を入れる事には成功している。


 人類が受けた未曽有の恐怖と同等以上の衝撃を受けてなお立ち直りが早いのは、優秀な上司が居る為か、それとも彼ら自体が異質な存在だからか……。



「ドラグギ
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