宴会
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だけ……と。笑みがバレるのを誤魔化すため、ユーリが作ってくれたホットワインに口をつける。一方、何故かニヤついているエギルを見たキリトとシィは声を出すことを忘れるほどドン引きしていた。
◆◇◆
「こんな簡単にできるんだね〜。よく作り方知ってたね。」
「まぁ、現実の方で父さんが作ってるのを見てて、ちょうど覚えてたからな。あとは、適当に食材やら、スパイスやらを混ぜてたらいい感じのできたんだよ。」
「あ……ごめんね。リアルの事、思い出させちゃった?」
この世界に置いて現実のことはタブー。アスナは気まずそうにするがユーリは気にしてないと首を横に振ると自分の分のホットワインへと口をつける。少し冷めてしまっていたがほんのり温かい液体が舌の上を通り、まったりとした甘さの後にスッキリとした葡萄の風味が通り抜ける。懐かしい味としみじみと思っているとその味にふと小さな違和感を感じる。だが、それに気づく前にクラクラと視界が歪み始める。
ユーリがブラック・イーコル入りのホットワインを飲んだのを確認したエギルはただでさえ、気持ち悪い笑みをさらに歪ませる。それを見たシィがヒッと小さく悲鳴をもらす。
◆◇◆
ホットワインを飲んでからというものなぜか瞼が重くなり、意識が安定しない。クラクラと身体が前後左右に揺れていると誰かに身体を支えられる
「お、おい。ユーリ、大丈夫か?」
「ん?きひとぉ?たいひょうふ……やなぁーー」
じゃないと言おうとする前にユーリの意識は途切れてしまう。そして、全体重をキリトに預ける形になり、恋人にするような……肩に寄り添っているようである。
キリトは一目見て、ユーリの現状況が異常だと判断する。
ユーリの目は表情は頬が少し上気し、ほんのりと紅く染まり、目がトロンとしており、全体的に惚けた表情をしている。
酔っていると直感するキリト
いつものユーリは何処かめんどくさそうな雰囲気をだし、凛としているが、今はその真逆で、保護欲を高める雰囲気を醸し出している。さらに極め付けにいつもはフェイスチェンジによって隠されているはずの頭にある白くふさふさとした狼耳はいつもはピンと立っているのに対し、今は力なく垂れ下がってしまっている。時折ピクリと反応するのがなんとも可愛らしいと男のはずのユーリに対し、キリトは思ってしまう。もっともそんなことを言えば、ふざけんなと言いながら、容赦ない一撃をお見舞いしてくるが……。
「なぁ、エギル……お前、ユーリのカップになんか入れてたよな?」
ユーリが厨房へと行っている際にエギルが何かをしていたのを思い出す。ギクリと表情を固めると三人からの追求の眼差しに耐えられず、素直に白状する。
「いや……ただブラック・イーコルを
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