宴会
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食事会が催される。
キリトとエギルはプレイヤーの作ったご飯プラスアスナの手作りという付加価値付きの食事に歓喜し、某戦闘民族よろしくがっついていく。ユーリやシィは日頃からユーリの手作りを食べているためそれほど感激することはなかったが、美味しいと食べていた。ちなみにこの時、アスナはユーリに対し、どうだ!とドヤ顔を決めていた。
「ふぅ〜〜……食った食った。」
「いやー、まさかこんなうめぇ飯を食べれるとはな。生きててよかったぜ。」
と男二人はぽんぽんとふくれた腹を撫でながら感無量と言った感じで発言する。
「うん、アスナもユーリに負けずとも劣らない味でとっても美味しかったよ〜」
「あ、うん、ありがと。けど、ユーリくんにはやっぱり勝てないのね……」
がっくりとシィの評価にアスナは肩を落とす。やはり熟練度600そこそこのアスナとコンプリートしているユーリでは、どうあがいてもユーリの方が上である。この敗北を胸にしまい、今後より一層腕に磨きをかけようと奮起するのだった。
「じゃあ、食後酒つうことで……これでも飲むか」
テーブルの上に置かれたのは、深めの緑色をしたボトルに入れられた紫色の液体。例のブラック・イーコル……ではなく、デザート酒の一種としてここアインクラッドで飲まれているアメジス・リコールである。B級食材の一つで、味はグレープっぽい。なかなかに美味しいと評判のアイテムである。
「へぇ、確か赤ワインみたいな味だったんだよな?じゃあ、ホットワインにでもするか。」
「じゃあ、ついでにおつまみも〜!」
「おっさんかよ!」
シィにツッコミを入れたあと、エギルからボトルを受け取ると厨房の方へと向かう。数分後、ふんわりと甘い香りを周囲に漂わせながら、5つのマグカップが盆の上に乗せて運ばれてくる。中に入っている液体はほんのりと紅く色付きいかにも美味しそうである。ついでにちゃっかりと盆の上にはおつまみとして、チーズ(っぽいもの)の盛り合わせも乗っている。
「へぇー、すごい。こんな事もできるんだね〜。ねえ、ユーリくん、やり方教えて。」
関心半分、悔しさ半分と言った感情をあらわにするアスナ。まだこんな隠し技を持っていたのか、と内心で悔しがる。キリトとシィはすでにコクコクとホットワインを飲み始めている。
一方、エギルは内心で焦りを感じていた。ホットワインなど用意されては、ユーリにブラック・イコールを飲ませる事ができない!と。だが、天はエギルに味方をしたのか、ユーリはアスナにホットワインの作り方を教えるために厨房の方へと行ってしまう。これ幸いと思い、ユーリのカップの中身を減らし、ブラック・イコールを取り出すと減らした分だけ注ぐ。これで完全犯罪の成立である。あとは、ユーリがこれを飲む
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