宴会
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えなくなり、結果的にユーリたちの居座りがOKされる。
エギルは一階で店番をし、残りのメンバーは二階の客間でやることもなく、のほほんと寛いでいるとアスナが何か名案が思い浮かんだようで急に椅子から立ち上がる。
「ねえ、せっかくだからさ、パーティでもしない?ホラ、ユーリくん達の攻略組復帰記念とかでさ〜」
攻略の鬼と呼ばれているアスナもやはり女の子。こういったイベントごとは好きなのだろう。目をキラキラさせて、一同に同意を求める。シィは速攻でOK。キリトは美味しい物にありつけそうなので、OK。ここで三体一となったのでユーリの意思など関係なく、開催される事になった。そして、簡単なパーティをやろうということが決まった後で肝心な開催場所を決めるのだが、いかんせん場所がなく、居酒屋などを貸し切りにするには金がかかる……結果的に今いる場所ーーエギルの店に白羽の矢がたった。
「ということなので、エギルさんもパーティやりません?」
最初は説得するのに難しいと思われていたエギルだが、美少女ーーアスナに頼まれると鼻の下を伸ばし、一つ返事で了承してくれる。
「ありがとうございます、エギルさん」
「いいってことよ。その代わり俺にも美味いもん食わせてくれよ?食材は確かこの前仕入れたのが残ってるはずだからそれを使ってくれ」
といかにも紳士っぽく笑顔で言うエギルだが、実は別の魂胆があった。エギルは食材の確認と称して自身のアイテムストレージを確認するとお目当てのブツを見つけ、ほくそ笑む。
酒 【ブラック・イーコル】
いかにも危なそうな名称の酒だが、毒などではなく普通のお酒。だが、他のアイテムと違う点が一つ……それは"酔える"という事だ。正確には、酔った時のような軽い酩酊状態に陥るという事なのだが、このアイテムが発見された時、現実で二十歳を超えているプレイヤー達はまたあの味が楽しめる!と歓喜した。だが、お酒アイテム一部を除き、レアアイテムに分類されるほど希少なため、市場にほとんど出回る事はない。
ちなみに安い比較的楽に手に入るお酒はC級食材、美味いと評判のお酒はB級、飲むとバフや能力向上の効果がつき、なおかつ美味いものはA級に分類される。ブラック・イーコルはA級に当てはまる。
エギルはこれを使い、ユーリを酔わせ、正常な判断力を欠落させた後、ユーリからレアアイテムを格安で分捕ろうと考えているのだ。最もトレードにするあたり、エギルの優しさの現れなのだろう。
だが、彼はまさかユーリがあんなことになるとは思いもよらなかった。
◆◇◆
アスナがユーリに負けじとあげた料理スキルとエギルから提供された食材をフル活用し、ピザやパスタ、グラタンなど僅か30分ほどで作ってしまうと早速パーティと称したお
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