九校戦編〈上〉
九校戦二日目(3)×武装一体型デバイス試し斬り
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していたかのように見えた俺だった。恐らく近くにエリカがいるからなのか、対抗心を起こして興味なさそうな雰囲気を見せていたレオだったけど、待ってましたとばかり柄を掴みとった。俺は抗議を無視してからレオへ視線を向ける。
「試したくないか?」
「えっ、俺が?」
レオの顔が一瞬にやけたが、その素振りはエリカや俺だと分かりやすい反応だなと思った。
「武装デバイスは、渡辺先輩がバトル・ボードで使用した硬化魔法を応用した打撃武器でもあり、スロットルにメモリを入れる事により使用者自身で硬化魔法で防御しなくとも、メモリの力で防御できるようにした。柄部分にメモリを変える事で、斬撃武器にもなるからお前に向いていると思ってな」
「一真が作ったのか?」
「まあな」
「ちょっと待って」
レオと俺の会話に、幹比古が割り込んできた。まあ予想通り昨日のが今日出来たなんて普通はあり得ないとでも思ったのだろう。
「渡辺先輩の試合は昨日だよ?それをたった一日で作ったのかい?あり合わせの物には見えないけど」
「部品自体もワンオフで作った物だ、それにこのメモリの力を最大限に発揮するように作られている」
「まさか手作りなのかい?」
「そんな訳ないだろう、知り合いの者に設計図のデータを送って作ってもらった物だ」
内情を知っている深雪は「知り合いの者」というのはあそこかと思ったのであった。それとメモリは一真の創造の力で一から創ったのだろう。
「さてと、レオ・・・・試したくないか?」
「いいぜ。実験台になってやるよ」
「堕ちた」
そう呟いた雫の一言が、友人達の抱いた印象を簡潔に代弁してくれた。次に取り出したのは、いつも使っているタブレットを空間から取り出した。俺と深雪以外はいつも思うが何もない空間から物を取り出すという行為は、どういう魔法なのか仕組みなのか知りたくてしょうがない状態となっていたのでエリカが聞いた。
「いつも思うんだけど、何もない空間から物を取り出す行為はどういう仕組みな訳?」
「俺も気になってはいたんだが、魔法なのか?」
俺はタブレットをいじりながらだったからか、しばらく答えなかった俺の代わりに深雪が答えたのだった。
「お兄様の代わりに答えるけど、これは魔法ではないわ。特殊な力とでも言っておこうかしら」
「特殊な力って、超能力者じゃないんだから」
「それに近いけど、それも違うのエリカ。空間から物を取り出すのは、異空間にある自分の持ち物を一時的にしまっているだけ。この部屋から隣の部屋に行くには、ドアを開けて隣に移動するけど空間から物を取り出すとしたらこの壁をすり抜けて物を取るようなものよ」
「まあそう言う事だ、レオ。これでも見ておけ」
マニュアルのペ
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