九校戦編〈上〉
九校戦二日目(2)×氷柱倒し予選と試作品
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モノリス・コードで優勝すれば安全圏とは思われます」
「それはつまり本戦で残り六種目の内、四種目で優勝しなければならないという事ですか?」
「新人戦のポイント予測が困難ですが、恐らく織斑君が三種目優勝と女子の方でのエンジニアでやってくれればかなり二位と離れるはずです」
作戦スタッフの二年生が試算結果を報告し、本戦四種目で優勝しないといけないと思ったがどうやら俺の活躍で何とかなりそうだ。十文字先輩と渡辺先輩が出場する種目でアクシデントが起これば、何かしら起こるかもしれない。しかも今回は犯罪シンジケートの無頭竜がちょっかいを出してくるからだ。
男子クラウド・ボールは桐原先輩が出場しているが、決して無鉄砲な性格ではないくらい知っている。責任感強い男であるが、ショックを受けているのではないとかと思い、桐原先輩がいるところに向かった。顔を合わすのは、今日の競技が終わった後のラウンジ。いつもと変わらぬ様子だったけど、桐原先輩と一緒に腰を下ろしている壬生先輩は無理に笑っている。
「桐原先輩、お疲れ様です」
「ああ、織斑か。早々と二回戦で負けちまったよ、惨敗だ」
空元気だと思うが、立ち直りが早そうに見えた。勝ち負けを繰り返すアスリートは、心理的な弾力性、負ける事への耐性もきっと高いのだろう。稽古や試合も経験豊富な俺であるからか、普通に声をかけた。
「ま、今年は運が無かったことだ。それとデバイスとサイオンのペース配分が間違いだったのかもしれないが、二回戦で優勝候補と当たったのは実に運がなかったとでも言いましょうか。まあ二回戦の相手だったのも、二回戦で消耗したので三回戦で負けていますからな。ドローか痛み分けでしょう」
「意外とハッキリ言うんだな、織斑は」
敗戦の事実を言っただけで、桐原先輩は怒らなかった。
「俺が落ち込んでるとは思わなかったのか?」
「全然・・・・。このくらいで落ち込むのであれば、剣術の腕をもっと磨いてから俺との試合を望むべきですよ」
この位のレベルで落ち込むなら、剣の腕をもっと磨けと言っているようなもんなのか。沈黙していた桐原先輩が噴出してから、ソファの上で爆笑していた。隣にいた壬生先輩はオロオロし始める笑いっぷりだった。
「織斑はやっぱ面白い・・・・このくらいのレベルだと落ち込むよりもっと腕を磨けか。まるで誰かの師範をしているような言葉を出すんだな、普通なら気まず〜い顔をして、見て見ぬフリをして通り過ぎるというのが普通だが。自分から声をかける奴は見た事ねえよ」
「そりゃあ、俺には多くの弟子を持っているしカウンセラーの資格も持っている。剣術や武術の師範をしている俺にとっては、こんなところで立ち止まってないで敗北を糧にして次に向けて力を蓄えろと言いたいね」
「なるほどな
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