九校戦編〈上〉
九校戦二日目(2)×氷柱倒し予選と試作品
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遅い気がします」
俺達三人三様に感想を言っているが、五十里先輩は苦笑をしている。あっさり倒される自陣の氷柱をまるで気にしないかのように、相手の氷柱を倒す事だけを考えている様子の千代田先輩だった。
「思い切りが良いというか大雑把というか・・・・倒される前に倒しちゃえ、何だよね。花音って」
「戦法は間違っていないですが、少しは自陣の氷柱を気にした方がいいかと思います」
攻勢に転じた事で相手の防御力も落ちているからなのか、自陣残り六本となったところで千代田先輩は敵陣を全て倒し終えていた。倒したというより全て破壊したという方が合っていると言った方がいい。
「勝利!」
櫓上から得意げな笑顔で見せてきたのを見た五十里先輩はヤレヤレと言った感じの表情を浮かべながら、五十里先輩も笑顔を作っていた。
「何と申しましょうか・・・・」
「お似合い?」
「ストレートに言うとさすが許嫁だけはある、互いを理解し合っているとも言えるな」
この二人は息が合っているからなのか、パートナとの相性もいい。それに許嫁だけはあるなと思った俺であったが、選手と裏方で二人で勝利を取ったとも言って良い程だな。そういえば選手四十人に対して技術スタッフは八人だからなのか、五十里先輩が他の選手と組んだ時は役目をちゃんと果たせるだろうか。平均でエンジニア一人で五人の選手を担当している。もちろん俺も選手兼技術なので、一年生を六人担当しているが俺の場合は特例だからな。
「さて、三回戦進出したから天幕にでも行こう。クラウド・ボールがどうなったか気になる所だ」
俺がそう言ったら全員天幕に戻ったら、何か重苦しい空気だったので五十里先輩は市原先輩に聞いた。
「何があったのですか?」
「男子クラウド・ボールの結果が思わしくなかったので、ポイントの見通しを計算し直しているんですよ」
いつもより表情が乏しかった市原先輩の顔を見て、もしかしてと思った。九校戦の順位は各競技のポイント合計で決まる。一位が五十ポイント、二位が三十ポイント、三位が二十ポイント。早撃ちに波乗りと破壊は四位が十ポイントで、クラウド・ボールと氷柱破壊は四位からの順位がないので三回戦敗退三チームに五ポイントが与えられる。モノリス・コードは一位チームに百ポイント、二位チームに六十ポイント、三位チームに四十ポイントが与えられ、ポイントで最も比重の大きな競技になっている。
「思わしくなかったと言うと?」
「一回戦敗退、二回戦敗退、三回戦敗退です」
恐る恐る聞いた五十里先輩に返されたのは冷淡な声だった。
「来年度のエントリー枠は確保しましたが、計算外でした」
「現時点でリードを考えれば女子バトル・ボード、男子アイス・ピラーズ・ブレイク。ミラージ・バット、
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