第4話「現実とネットゲームのパラメーターは反比例する」
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きが興奮へ変わる。
フルーツポンチ侍Gは発言するたびに(驚)をつけ、カグーラは落ち着かず、銀子はサインをねだろうかと考え始める。
ぱっつぁんこと新八はパソコン画面に映るMを見て、感動のあまりキーすらしばしまともに打てない始末だった。
「そうだ!勧誘しないと。入ってくれるかな?」
【かまわんさ。ちょうど孤独な旅にも飽きてきた頃だ】
【いいのか?俺たちハント始めたばっかで足引っ張るぞ】
【それがどうした。これから強くなればいい。俺が最後まで面倒みる】
「優しい超優しい!涙が止まんねェよMぅぅぅぅ!!」
泣き叫ぶ涙が止まらない。
他の電子喫茶の客から苦情をくらって何度か謝った後、新八にある疑問が浮かんだ。
【Mってなにか意味があるんですか?超カッコイイです】
名前には少なからず由来や意味があるものだ。
カッコいい容姿と「M」という一文字だけのシンプルさも相まって強烈に惹かれる。どうでもいい事のようだが、今の新八には気になって仕方ない。
【これか。この意味は……】
「きっとスッゴい意味があるんだろうなぁ」
【『マダオ』の頭文字だ】
「長谷川さんンンンンンン!??」
アゴが外れそうな勢いで、新八はパソコン画面に釘付けになってしまう。
メッセージウィンドウに表示されているのは『マダオ』。何度目をこすっても、それは変わらない。
【『マるでダンディなオッさん』の略でな。リアルじゃ周りからそう呼ばれて慕われてんだ】
「ウソつけェェェ!!『マるでダメなオッさん』の略だろうがァァァァ!!むしろ蔑称だ!知らねぇと思って美化してんじゃねェェェ!!」
そして一気に脱力感にみまわれる。
世の中知らない方がいいこともあるが、その意味を実感して新八は深い溜息をついた。期待が大きいほど、裏切られた時の喪失感は絶大である。
【何てこった……。伝説のハンターが長谷川さんだったなんて】
【なるほど。暇を持て余してゲームに逃避するうちに最強ハンターになっちまってたんだな】
字に活気のないぱっつぁんと違い、銀子は冷静に分析していた。
カグーラやフルーツポンチ侍Gも冷めた感じだ。どうやら盛り上がっていたのは、ぱっつぁんだけだったらしい。
【さっきまで感激してた自分が恥ずかしい】
【泣くなぱっつぁん。現実じゃ報われないんだ。せめてゲームで夢見してやろーや】
それとなく銀子が落ちこむぱっつぁんを慰める。現実の長谷川に対して同情なのか軽蔑なのかよく分からない発言だが、今のぱっつぁんにツッコむ気力はない。
【マダオに従うなんて私嫌ヨ】
【我慢しろカグーラ。これで上手くいけば楽に百万円手に入る】
【ちょっと二人ともサークル会話じゃないんだから長谷川さんに見られるよ……アレ?】
ふ
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