第3話「時効寸前の犯人はご近所さんだったりする」
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ラ=ジャスアントはバンディットの前へ立つ。
モンキーの凶暴さに怯まず、逆に迫力のある眼光で睨み上げ――
【すいませんアル。私たち無実の罪で追われてるネ。よかったら警備兵たちを足止めしてほしいヨ】
【違うだろォォォ!!敵!コレ敵ィィィィィ!!】
【しょうがねぇ。さっき剥ぎ取ったシビレバナナ!食らいやがれェェ!!】
食べれば痺れてマヒ状態にさせるアイテム。捕獲の手段としてよく使われるが、逃亡手段でも役に立つ。足止め程度だが逃げる為の時間を稼ぐには十分だ。今は大量の警備兵を相手にするより、一匹のモンキーを片づけた方がはやい。
バンディットめがけて銀子はシビレバナナを勢いよく投げつけた!
それをカグーラ=ジャスアントが食べる!!
【ぐふっ……】
【なんでお前が食べてんだァァァ!!】
銀子の《ツッコミ(絶叫)》が炸裂し、シビレバナナを口にしたカグーラの顔は見る見るうちに青ざめていく。
【ゲームの中でいいからお腹一杯になりたかったアル】
聞けば涙をそそるような一言だが、同情している暇はない。
たった一つの逃亡手段ですらなくなってしまったのだから。
【どうすんですかァァァ!後先考えずに進むからァァァァ!!】
目の前にはモンキー。後ろは警備兵。
【もうダメだァァァァ】
【もぅ仕方ないな〜★】
“ピッ”“ドオオン”
爆発と轟音。
光の球が直撃して生気を失ったバンディットは、ゆっくりと地に倒れた。
【あれは……】
砲弾が放たれた場所――崖の上を見上げると、人影があった。大砲を抱えこちらを見下ろしているハンターがいたのだ。
「キタぁぁぁぁぁ!!ハンターキタァァァ!!」
嬉しさのあまり叫ぶぱっつぁんだったが、警備兵たちのことを思い出して後ろを振り返る。
だがそこには無人のジャングルが広がるだけだった。
【あれ?警備兵たちは?】
【さっき粉みたいになって消えたヨ】
マヒ状態は解けたらしいが、カグーラの発言は意味不明だ。
いつものボケなのか。どこをツッコめばいいかよく分からないので、とりあえずぱっつぁんは白い目で見る。
【神楽ちゃん、嘘言っちゃダメだよ】
【嘘じゃねぇヨ。それに私はピンチに陥ると第二の人格が覚醒し冷徹な戦士となるカグーラ=ジャスアントだ】
【なんだよ、その中二設定??】
ツッコミを入れたところで、ぱっつぁんはハンターに目を向ける。
今やるべきことは他のハンターとパーティを組むことだ。
しかしこんな弱小チームと組んでくれるだろうか。さっきは助けられたと思ったが、単にモンキーをハントしたかっただけかもしれない。
そもそも警備兵たちに追われるようなヤバイ奴らと組むハンターなど、普通に考えればまずいない。
そう思っていたが、勧誘は意外に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ