第1話
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可能性が出てきたと発表されました。そのため、我々も皆様の安全のために至急避難する措置を取らせてもらいます。ツアー客並びに天体観測者の皆様は、最寄りのスタッフの指示に従ってください。繰り返しお伝えします。」
この発表後しばらくは、皆が茫然としていたが、しばらくすると、数名が走り出した瞬間我先もと瞬く間にパニック状態になった。
一夏「お姉ちゃん何処にいるの、ちょっと押さないでよ。」
千冬「一夏、何処だ何処にいる、邪魔だそこをどけ。」
我先もと避難する人たちによってその姉弟は、離れ離れになった。そして、それがこれから起こる途轍もない運命の合図となって降りかかった。
暫くして、北の空が明るさ出てきた。そして、その後から途轍もない音とともに質量のある物体が目に留まらない速度で観光客と天体観測者の頭上を通り過ぎて行った。
そしてそれに魅入られていた一人がはっと思い立ち叫んだ。
「全員その場に伏せろ、急げ」
と大声で叫んだのをきっかけにほぼ同時にその場にいた全員が頭を抱え込むようにその場に伏せた。また、伏せようとしない者や茫然自失の者もいたが、近くの人に半場無理やり伏せらされあたりは一時混乱したが、それの暫くすると、南の方で途轍もない閃光と音響と地響きによりその剣呑と騒然が入り混じった空間が途絶した、そして、暫くすると辺りがまたいつものように暗闇と静寂が満ちている空間と戻ってきていた。
観光客A「おい、全員無事か返事してくれ。」
観光客B「ああ、自分は無事だ」
観測者A「何があったんだ。」
と、無事そうな声と不安そうな声があちこちに聞こえた。そんな中一人の女性が周りを見て叫んだ。
千冬「一夏、一夏はどこだ、返事してくれ。」
と悲痛そうな声がその場に木霊した。
一方、姉と離れ離れになってしまった、弟の方は、真っ暗闇とかすかに夜空の光を頼りに鬱蒼と生い茂る森の中を一人で当ても無く彷徨っていた。
一夏「うう、暗いよ、怖いよ、千冬お姉ちゃんどこにいるの、寒い、ここ何処なの?」
と完全に狼狽と不安で泣きながら、唯一の家族である。姉の名前を呼びながら、鬱蒼と生い茂る森の中を彷徨っているとふと樹上の方が明るさに満ちていき、そして轟音と猛烈な風による衝撃が幼い一夏に襲い掛かった。そしてその衝撃は、幼い体を落ち葉のように、言い様にコロコロと弄ばれていった。
一夏「ううう、何なの、痛いよ、もういやだよ。誰か助けて、お願いだから!」と叫んだが、誰もその言葉を聞く者がおらず、虚しさだけが通り過ぎて行った。
そして、暫くすると、あれほど生い茂っていた森林が突然途切れて、大きなすり鉢状のクレーターが口をあけていた。
一夏「なんだろう、この大きな穴みたいなのは?」と混乱する頭を必死になって動かして考えたが、まったくと言い程思いが浮かばなかった。けれど
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