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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第13話 「少年と王さま」
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。ディアーチェひとりだった。

「久しいな……何を安堵しておるのだ?」
「いや……ディアーチェ以外にも来るのかなって思ってさ」

 俺の言葉にディアーチェは納得した顔を浮かべる。シュテル達と関わった場合、似た立場になることが多いだけに俺の気持ちを察してくれたようだ。

「安心するがよい。今日は我だけだ。シュテルは仕事と言っておったし、ユーリはここ最近はある研究の手伝いをしていると聞いておる。レヴィには誰かしらの手伝いをしろと指示したから、あとから来ることもあるまい」

 尊大な態度だがディアーチェだと安心感を覚えるから不思議なものだ。カリスマ性がある人間というのは、彼女のような人間を指すのかもしれない。
 見た目や能力ははやてにそっくりだけど、あいつよりも一緒に居て落ち着くよな。からかったりしてこないし、言動の割りに相手のことを気遣ってくれるし。素直じゃないところがあるけど、そのへんはディアーチェの可愛らしさの一部だよな……って、俺は何を考えてるんだか。

「そうか。ありがとな」
「礼には及ばん。あやつらが居ると騒がしくて堪らんからな……貴様に渡すように言われていたものだが」
「ここでか?」
「別に見た目はあやつと違ってアクセサリーなのだ。見られても問題はあるまい」
「まあそうだけど……わざわざ来てもらったわけだからお茶くらい出したい気持ちがあるんだが」

 高町達と顔を合わせることになるのであれだが、まあディアーチェだけみたいだし出会ってもシュテル達のときとは違う展開になるだろう。それに今後関わる可能性がある以上、早めに出会わせておいたほうがいいのでは? という思いもあったりする。これを実行するなら、今日のようにディアーチェ独りの時ににするべきだ。
 それに個人的にディアーチェと話すと安らぐし、彼女も何かしら愚痴を言いたいことがあるだろう。そういった気持ちが混ざり合って出た言葉だった。

「ふむ……長居する理由はないが断る理由もない。しばしの間ではあるが邪魔させてもらおう。……何を笑っておるのだ?」
「別に何でもないよ」

 そう言って中に入ると、ディアーチェもあとに付いてきた。脱いだ靴をきちんと並べるあたり、礼儀正しい子である。

「続きだが、何でもないということはあるまい。素直に言ってみよ」
「本当に何でもないんだけどな。ただディアーチェって良い性格してるなって思っただけで」
「なっ……何を言っておるのだ貴様。我くらい別に普通であろう」

 自分のことを我と言って尊大な言動を取り、でも王さまという愛称で呼ばれるほどに人から好かれている子が普通だとは思わないのだが。まあそのへんのことを除けば、知り合いの中では普通の女の子だと言えるけど。

「シュテルやレヴィがあのような性格をしておるからその
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