マブラヴ
0821話
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何だ? 自分達の負けが決まっていると判断しているが故の自棄か? いや、違うな。そんな感じではない。となると、何かを企んでいる? あるいはこっちが自信満々だからそれを撃ち砕くのを楽しみにしているとかか? どっちもそれっぽくないが。
とにかく、向こうが何を考えていようともこっちのやるべき事は変わらない。そもそも、現時点では既にこの世界から撤退する方向で考えているんだから、気にしてもしょうがない。
「アクセル代表、では私と共に来て欲しい」
そんな風に考えているとジョンがそう話し掛けてきたので、その声に頷き会議室を後にする。
はてさて、どんな事になるのやら。
「アクセル代表、さすがに2時間後ともなると今から演習場で待っていても時間を持て余すだろう。1時間程暇が出来ると思うが、何か希望はあるかね?」
会議室を出て、扉の周囲で警護している軍人からの敬礼を向けられつつジョンがそう声を掛けてくる。
その声が聞こえたのだろう。警護の軍人から向けられる驚きの表情――50代程の、いかにも歴戦の軍人のジョンが20代の外見の俺に対して丁寧な対応をしているのだから当然だろう――を向けられているのを感じつつ、少し考える。
やるべき事、あるいはやりたい事か。戦力的な調査という意味も含めて戦術機に関して調べてみたいが、さすがに部外者の俺に詳細な場所まで教える事は出来ないだろう。となると……そうだな、BETAについてか。バジュラとの違いを調べておきたいし。
……まさか、バジュラがこの世界ではBETAと呼ばれているとかはないよな? 光線級とかいうのが、重兵隊バジュラだったり。
「この世界の歴史……特にBETAについて知りたいんだが、どこかでデータを見る事は出来るか?」
「ふむ、BETAについてか。了解した」
俺の言葉に頷き、会議室の入っている建物から出て車に乗ると運転手――俺達をここまで連れてきた軍人だ――へと声を掛けると、車は基地敷地内にある別の施設へと向かう。
5分程で到着したそこは、相変わらず基地の本部のような場所では無く外れにある施設だったが、正式に手を組むとも決まっていない相手なのだからしょうがないんだろう。
その施設の中へと入ると、どうやら図書館のように資料が集まっているらしく無数の本棚が並べられている。だが、俺を引き連れたジョンが向かったのは、その奥に何台か並べられてあるコンピュータの方だった。
何やら俺を横においてコンピュータを操作し始めるジョン。
へぇ、1997年と言えばまだそれ程コンピュータも発達していない時代だった筈だが……いや、BETAとやらと戦争を続けてきたおかげでこっちは発達したのか?
そう考えると、意外と有益な技術が眠っている可能性はあるか。有無を言わさずに引き上げると言わないで良か
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